ヨーロッパの北にあって工業化を進め、豊かな福祉国家をつくったスゥェーデン、デンマーク、
フィンランドなどで生み出された、スカンディナビアン・モダンも一つの時代を作り上げました。
ナチュラルな感覚と洗練されたフォルムは日本人の感性にもよく合い、愛好者が多いですね。
家具ばかりでなく照明器具でも
この時代の名作が今も愛されています。
北欧の冬の夜は長く、
光の質へのこだわりが優れた
照明器具を生み出すのでしょう。
1960年代に入ると、今度はイタリアンモダンの時代がやってきます。
イタリアらしい楽しくて開放的な気分も盛り込まれてきます。
でも私としては、現在トレンドとなっている「モダンリバイバル」は、
やはり1960年までのデザインを指しているかなと思っています。
ジオ・ポンティのドムスチェアだけをその範囲に入れておきます。
いろいろとご紹介してきたデザイナーズ・ファニチュア、その魅力を生かすにはどんなコーディネートがよいのでしょう。
まず一つ目のポイントは、シンプルであること。
やはり主役として見せたいですから、組み合わせるものは個性の強い形や色のものは避けたいですね。
二つ目のポイントは、素材は本物志向を心がけてください。
スチールパイプや積層合板、革など、しっかりした素材感のものが多いので、床や壁などもそれなりに本物志向で受けとめたいですね。
あとは少しのスペースのゆとりがあれば、いうことはありません。
一脚そこに置くだけで、フツーの部屋がモダンスタイルに早変り、スペースが生き生きとしてくる、
魔法のパワーを持つデザイナーズ・ファニチュア。
20世紀の前半、政治も産業も芸術もグローバルに沸き立った時代の確信に満ちた力強いデザインが、
どこか身動きがとりにくく余裕がない今の私たちに元気を与えてくれています。
さて次回から2回は、インテリアスタイルの続き、ナチュラルスタイルを取り上げたいと思います。
モダンスタイルの時と同様、フォーマルとカジュアルに分けて、アジアンテイストやカントリースタイルなども登場する
バリエーションの展開をご紹介していきたいと思っています。
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