第5回 和の様式美のモダンなアレンジ… 今月のスタイル:ジャパネスク


『ジャパネスク』という

今日的なインテリアスタイル…。
インテリアの多くのスタイルは、言うまでもなく欧米の生活のスタイルや建築美術の様式から発生したものです。前回お話しした「トラッドスタイル」や「エレガントスタイル」も同様。
ところが、今月のスタイル『ジャパネスク』は、日本のスタイル。つまり日本の住まいの基本となる和式住宅のなかで培われたインテリアのスタイルなのです。ですから、あらためて説明するまでもないとおっしゃられるかも知れません。
ただのこの『ジャパネスク』は単なる『和風』ではなく、あくまでも「ジャパネスクというインテリアスタイルのひとつ」なのですから、そうした観点からお話を進めていきたいと思います。
最近は日本以外の国でも『ZEN』スタイルや『和』スタイルなどとして、インテリアスタイルの一ジャンルとして、通用するようになってきました。
伝統ある日本の美意識が、欧米人の目から見ても高く評価され、注目されているということは、うれしいことだと思います。

海外でも評価の高い
日本の美意識『ジャパネスク』。
基本のインテリアコーディネートを考えるとき注意したいのは、先にも申しましたとおり、単なる『和風』ではなく『ジャパネスク』スタイルであることの違いを考えるということです。生活様式としての「基本は洋式」で、すなわちリビングにはソファがあり、ダイニングではダイニングテーブルで食事をする、という現代のスタイルでありながら、日本の住宅のよいところを「和のエッセンスのモチーフ」としてバランスよく取り入れ、モダンにアレンジしたスタイルをめざすということでいいのではないかと思います。特に和室は「日本固有の室礼」として必要かとは思いますが、個室として特に設けることは不要な場合も多いと思います。けれども、「多目的ルーム」として意外に重宝するので、間取りを考える際に和室を作るかどうか、充分に検討されると良いと思います。
『ジャパネスク』スタイルの場合、和室のインテリアに限定することなく、むしろリビングやダイニング、洋室にこのスタイルを取り入れていくということになります。