第3回 120パーセント使いこなせる「リビング・ダイニング」を考える。
ひとまとめの空間としてとらえるのが
リビング・ダイニングの最新のトレンド。

今月のテーマはリビング・ダイニングです。
くつろいだり、語り合ったり、美味しいモノを囲んでの団らんだったり…リビング・ダイニングは現代の家族にとって、とても重要な住まいのメインステージです。あらゆる面で手抜きなく、末長く満足の行くプランを熟考したいものですよね。
さて最近の傾向ですが、リビングの広さのトレンドというものは、最近の間取りでは厳密に表現しにくくなっているように思います。ダイニングルームが独立している間取りも少なくなっていると思いますので、どこまでがリビングという仕切りや厳密な区別が、なかなか明快にはできにくいのが現状です。確立したスタイルとして、もうリビングとダイニングは完全に同一空間であることが多いようです。またそれに加えて キッチンも完全にオープンスタイルで、天井さえもダイニングとつながっていたりすると、視覚的な広さは格段にアップします。実際に測ってみると同じ広さでも、リビングとダイニングとキッチンがそれぞれ独立した間取りよりも、ひとまとめの空間の方が広がり感はぐんとアップします。そんないろいろな要素がからむ中、家族にとって心地よいリビング・ダイニングの広さを考えていくのはなかなか難しいことですね。


単純に言うなら、もちろん広い方がいいとは思います。
ただ、今までさまざまな間取りのリビング・ダイニングのプランや家具レイアウトを考えてきましたが、最終の家具のレイアウトによっては、面積上は広くてもあまり効果的な感じがしないものがあるのも事実です。
「広いだけでは使いにくい」場合もあるのです。
また従来のお住まいに比べてスペースが格段に大きくなりすぎると、団らんが間延びして、何となく家族と疎遠になったイメージになってしまう…なんていうことも起きかねません。家族との密接さを阻害する要因になったりすることもあるんですね。不思議なものです。
そしてまた、プランニングしていて、なんとなくスペースが余ってしまう場合があります。(もちろんそれが余裕のスペースとして効果的であったらよいのですが)
住まいの中心スペースゆえのプランニングの難しさがそこにはあるのです。ということで、35坪の住まいの場合は、効率のよい家具レイアウトができるなら若干コンパクトながらも、充分上手に空間の利用ができるということになります。それこそがプランニングの極意ですよね。