第4回 中からも外からも美しい…インテリアに映える「外構を選ぶ」。
玄関回りの表情をうつくしく…
細部になりますが、玄関まわりのサイン計画もその家の顔となる大切なポイントではないでしょうか。
私個人的には、表札がもっともっと大切にされるといいなぁと思ってます。漢字は表意文字ですから、その漢字からいろいろとイメージが広がります。また、字体もたくさんあって、とても大切な要素だと思います。表札の素材、デザイン、字体などを、もっと工夫してオリジナルをめざしていただきたいなあと思っています。最近は外観デザインが洋風のお宅が多いせいなのでしょうか。英字の表札が多く、割にあっさりと仕上げた類似のものも多くて、少し残念に感じています。
玄関まわりには今ご説明した『表札』のほか『ポスト』『インターホン』『外灯』など、まだまだこだわって考える余地のあるものが多いような気がします。たとえば、外灯と玄関の照明を同じデザインシリーズから選択したり、門扉やフェンスのカラーを建物のサッシカラーと統一したり、あるいはアクセントカラーにしたり、ということも考えられます。デザイン・カラーを十分考慮して、インテリア・エクステリアにぴったりのものを選んでみましょう。
このあたりになると、いろいろなものの選び疲れが出てきて、適当でもOK、といった気分になりがち。でも後少しです。手抜きのない選択がなされた家は、やはり美しく完成度高く仕上がりますよ。


外構プランと予算の問題…
話は少し遡るようですが、外構の計画は、建物の配置と大きく関わってくるので、最初にあらかじめ家全体のイメージを創っておくことが、ここでまた大切になってきます。

まず門があるかないか。門を入って玄関に行くまでの通路をどのように演出するかによって、家の大きさ・カタチ・配置が若干変わってくると思うからです。ちょっと話が変わりますが、植木草花などの『植栽』については日頃から、よそのお宅の庭を研究しておくとよいのではないでしょうか。リビングから見える樹木には花の咲くもの、実のなるもの、樹型のきれいなもの、常緑のもの、紅葉する落葉のものなど、いろいろあります。落葉するものは秋にはとても美しいけれど手入れも大変です。いろいろな側面から考えておいた方がよいと思います。
最後にとても大切な予算について。
外構工事は意外に予算もかさみます。思っているイメージ通りにするとどのくらいの費用がかかるのか、最初にあらかじめ確認しておきたいものです。樹木の値段なども私たちは日頃あまり考える機会が少ないので、例えば高さ5メートルのハナミズキはいくらぐらい…などと聞いてみてはいかがでしょうか。工事の工程からいくと外構部分の工事は、ついはしょりがちな最終段階にやって来ます。早め早めに打ち合わせておかないと、心の余裕も資金の余裕も無くなった頃に始まってしまいがちです。予算も工期もないので、面倒だったから庭部分にはとりあえずコンクリートをうってしまった、ホントはレンガを敷きたかったんだけれど…などと言う話はよくお聞きします。これでは本当に残念ですよね。家づくりへの最初の思いは、メーカー担当者に早くから伝えてぜひ実現させたいものです。とにかく外構も外観とのバランス、インテリアとの調和が大切なので、しっかりとあらかじめ予算配分をしておくことがぜひとも必要です。
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