第1回「適性スペースの家」という視点。
「お住まいは広いほうがいいですか?」
かなり唐突ですが、まずみなさまにお聞きします。
それはもちろん、どなたにお聞きしても、狭いよりは広いほうがいいですよね、ということになると思います。でも最近、私はその「広さの程度」にちょっと悩むことがあります。

たとえば住まいの中心であるリビングやキッチンで考えてみましょう。リビングはゆったりと過ごしたい…くつろぎの空間ですからもちろんそれにふさわしい広さはほしいものですね。でもここで少し考えてください。
たとえば、もうお子さまも独立し、ふだんはお二人での暮らしを満喫しているご夫婦の場合に、リビング・ダイニングで30畳の広さ…それってなんだか少し広すぎないでしょうか。

キッチンにしても、たくさん収納のできる広いキッチンが夢ですが、だんだん家族も減ってくれば、お料理に時間をかけることも以前に比べれば減ってくるのではないでしょうか。それより機能的なキッチンを考えるなら、動線は短いほうが疲れにくい、と思います。