第2回 こだわりの「洗面・パウダールーム」を考える。
後回しにしがちだからこそ
もっと大切にしたいのが『水回り』

仕事柄、実にさまざまなお客さまにお会いします。そうしたなかで、実際に打ち合わせをしてみて、水回りの設計やインテリアにこだわるお客さまにお会いすると「ああ、この方は何度か家を創りなれていらっしゃるなあ」と感じ、身の引き締まる思いがするものです。
なぜかと申しますと、一般的に住まいの設計でゾーニングをするとき、どうしてもリビングや個室を最優先してしまい、残った部分で洗面室・トイレをプランするという場合が多くなり、設計もインテリアも結局水回りは後回しになってしまいがちだからです。
とはいっても、それなりに皆さまお風呂は大好きで「お風呂は大きい方がいいなぁ」というご希望は出るのです。ところがそれが脱衣室や洗面室に関しては、ほとんどご希望があがってこない、そんなところが実感です。
こうしたなか、最初から洗面や脱衣のスペースにご要望のお有りのお客さまに巡り合うと、プロとしては『出来るな…』と感じてしまう訳です。


さてこのようにキッチン以外の「水回り」というと、多くは「あればいい」感覚であったりする訳ですが、実はこういうスペースにこそ、個室と同じように気を遣って丁寧にプランニングすると、効率的でなおかつゆとりのある設計となりますし、家1件トータルで見ても、こんなスペースの充実が重なって、とても気持ちのいい空間としてうまれることになる思います。
実際インテリアの先進国・欧米ではすごくオープンで明るい開放的なイメージがある「水回り」。
ところが、日本では少し暗い閉鎖的なイメージになりがちです。
そのうえ水回りのプランニングを後回しにばかりしていると、わが国では特にスペース性の問題もあり、バスタオルなどをきちんと掛けるところもなかなか確保出来ない場合が多くなりがちなのです。
だからこそ、私としては、特に洗面・パウダールームを大切にプランニングしたいなといつも思っております。水回りはプロとしての私のこだわりでもあります。