第2回 こだわりの「洗面・パウダールーム」を考える。
必要な設備を厳選するということ。
このシリーズでとらえる大きなテーマは『35坪と60坪』。広ければゆったりと優雅なプランニング。
でも、もしもスペースに限りがあっても機能的に快適に過ごせる空間は絶対に可能です。
たとえばクルマをみても、ラグジャリーな大きいサイズで排気量の大きなクルマがすべてのオーナーのベストカーなのではなく、コンパクトサイズの足回りの良いスポーティなクルマがベストと感じるオーナーも多い、というのと同じ。住まいの適正なサイズと快適性の関係をじっくり探ってみたいと思います。

そうしたなかで、洗面パウダールームといった水回りのプランニングはひとつの好例となることでしょう。

たとえば、広いスペースが許される場合には、2ボール(洗面ボールが2こあるプラン)を提案するのが常ですが、それも「広いから」というだけの理由で採用される場合が多く、「実際はどう使用するのか」ということが明確でない場合もあるのです。お二人家族だったりすると、さほど手洗いボールが2箇所もある必要性はないかもしれませんね。
逆にスペースは狭くても、お子さまやご両親が使用する時間が同じだったりする場合なら、無理してでも2箇所設置するととても重宝でよろこばれるはずです。

まずはじめに「必要な機能」をじっくり検討して、基本の部分を満足させてから、ゆとりの部分をプラスしてゆく。そんな考え方からスタートしてゆくと良いと思います。
いずれにせよこの水回りというスペース、家族の営みの中で無くてはならないもののひとつには違いありません。だからこそ、「一日の始まりと終わりをゆったりとした気分ですごすための大切な空間にしたい」と切に思うのです。