第1回 素足からつたわるくつろぎの感触「床材を選ぶ」。
◆「水まわりの床材」
洗面室・トイレ・キッチンなどの水まわりの床材については今まで述べたものより、多少の機能性を考えた床材ほうがよりよいと思います。これらのスペースはどうしても湿気も多く、汚れやすいからです。ただ、デザイン上からなのでしょうか、リビングと同じフローリングを使用していることも多いようです。けれども、私もお客さまから「水がはねたりするのに大丈夫でしょうか?」という声をよくお聞ききします。やはり心配ですよね。オープンキッチンなど、LDとの境目がないときにはどうしてもリビングと同じフローリングにしたいところなので、ご心配ならその場合は表面などにあらかじめ強い処理がされているフローリング素材を選ぶと安心でしょう。また、もしキッチンだけ独立している場合なら、床の素材を意図的に変えてみるのも、デザイン的にもよいと思います。
フローリング以外にも、機能面などから水まわりによく使用される通称「長尺シート」というものがありますが、一般的に使用されるこれらの「クッションフロアー」とは別に、いま私が注目する「硬質ホモジニアス塩ビタイル」というものがあり、色柄ともに、豊富なのでお勧めしたいと思います。従来主に店舗で使用していますが、なかなかモダンで、高級感もあり、硬くて靴のまま歩ける種類もあって、とても丈夫です。

水まわりには、やはりクッションフロアーが一般的だとは思いますが、柔らかな色や抽象柄が多くキッチンなどにはしっくりこない柄が多いのです。その点「硬質ホモジニアス塩ビタイル」ならゴージャスな大理石柄やフローリング柄もあり、抽象柄もモダンなものがあります。これらは450角の正方形のものが多く、これを一枚づつ貼っていくことになります。
もちろん、「本当のタイル」というのも時々使います。冷たい感じがすると思われるかもしれませんが、デザインも多く雰囲気がありとてもいいと思うのです。ただしこの場合も、仕上げ材としてタイルを使うだけで、最近ではほとんどがかつてのように本当に水を流して洗えるような仕様ではないと思います。


硬質ホモジニアス塩ビタイル
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