第2回 空間イメージを切りとるアートな作業「壁面仕上げを選ぶ」。
今月は「壁面の仕上げ材の選び方」をテーマに選びました。
先月のテーマ『床』は「直接足に触れる」という意味で少し特殊な素材でしたが、壁についてはこれもまたちょっと違うポイントがありそうです。そもそも『壁』というものは、空間の仕切りとして現代の住宅には必要不可欠な存在ですが、その基本機能以外にもさまざまな機能が考えられます。
一般的には、空間を上手に仕切りながらも、どちらかというと「部屋を広く見せたい」「壁はできるだけ圧迫感の少ない存在にしたい」と思われる方が多いのではないかと思います。これもまたひとつの「壁」に求められる機能です。
ですから主として『壁面の仕上げ』は、空間に対する視覚的効果を加味して素材や色を考えていくことになるのではないでしょうか。また、住宅という区切られた空間において、壁のしめる面積は相当なものですので、そこに機能的付加価値をもたせたもの…たとえば「呼吸する壁」にしたいなどという声も最近の傾向として目立ちます。こうしたご要望に応える商品も増えていますので、出来る限り具体的にご紹介したいと思います。
「視覚的要素から壁材を選ぶ」ということ。
さて、通常「壁」というものは目線とぴったりの位置に常に存在するものですから、住まいの中でも結構強く印象に残る部分となります。ですから素材と色に変化をつけるとそれによる演出効果もさらに大きくなってくるわけです。

「素材」で選ぶ。
素材の変化でインテリア効果をねらう方法は、やはり素材の持つ本来の質感がそのまま現れてくるので、ご自身のお好きな素材を選んでいただくことが大切です。
見た目の質感を好ましく思うとか、手触りが感じられるテクスチャーにしたいなどという感覚の部分もぜひ大事になさってください。

◆クロス類 まず、一般的な仕上げはというと、素材としては「ビニールクロス」。そして色は「白」系が圧倒的です。
施工する側としても簡単で、どなたにでもすんなり受け入れられやすい。またメンテナンスも気軽です。
ですから、インテリアイメージがいまひとつはっきりしない場合は、まずはとりあえず、この仕上げを選んでもよいのでは、とも思ったりします。なぜなら、前回取り上げた床材に比べて、この壁の仕上げは、建築途中でもまだ比較的変更がきく部分ですし、竣工後にリフォームとして仕上げを変更することも比較的容易だからです。