第2回 空間イメージを切りとるアートな作業「壁面仕上げを選ぶ」。
ただ最初にふれたとおり、壁面の与えるインテリア・イメージへの影響はかなり大きいですから、ご自身の住まいに対する空間イメージをしっかりと把握しておきましょう。
ではお話を少しもどします。
壁の素材として、最も一般的なものがクロス。これにもビニールクロスと呼ばれるものから、紙・布・和紙・新素材クロスまで様々な素材のものがあります。またこれらのクロス以外にも考えられる素材は色々です。ここではその一部からおすすめをご紹介してみたいと思います。

◆塗り壁 塗り壁の人気が高いのは昨今の「珪藻土」ブームからでしょうか。自然が育てた土としてその耐火性から古くは七輪や耐熱レンガに用いられた素材、珪藻土。超多孔性のため調湿能力があり、それに伴う優れた特長から注目されていますが、施工面でもメンテナンス面でも制約が多いことをご理解ください。それに比べ使いやすいのは「珪藻土クロス」。特殊な技術で珪藻土の特長・風合いを活かして加工したクロスです。ただ継ぎ目が若干目立ちやすいのでご注意ください。

◆石貼り たとえば壁面に450センチ四方の正方形の大理石や御影石を貼ると、なかなか重厚感のある豪華な演出ができます。そうなると使ってみたい場所はやはり、玄関ホールまわりやリビングの一面でしょうか。
色の選択によっては柔らかく上品な感じにもなり、また「黒御影」などを貼るならかなり迫力のある空間となりそうです。住宅に石を使う場合は、四面すべてでなく、一面だけまたは腰から下に貼るなどの使い方が良いと私は思います。

◆タイル貼り 
効果は石貼り同じで、選択する色柄によってかなり、印象が変わります。石に比べ重量も軽くなるので、使い易いのですが、どちらかというと、水回りに使うことが多いですね。クロスより、湿気に強いのでおすすめですが、冬などは冷たい感じもする(実際に寒いかも…)ので、ご注意ください。色柄の種類も豊富で、石目調のものもありますし、ボーダータイルと組み合わせて使うととてもかわいい柄もあります。ショールームにいくと、「輸入もののタイル」などは食べたくなるくらいかわいらしいものもあって、実際にタイルを選ぶのは仕事としてもなかなかの楽しみです。

◆木板貼り 石に比べて温かな感じをお好みならば、木製の板を貼る方法があります。これも全面に貼るとかなり山小屋風(?)となり、それもお好みでまたよいのですが、クラシックな感じの豪華さを求めるならば、広さと色のバランスを考えて貼る範囲を決めると良いでしょう。