第5回 美しいひかりと影で彩る「照明を選ぶ」。
照明によってインテリアの『クオリティ』は
大きく変わります…
新築住宅の建築現場をなにげなく通りかかるとき、照明工事が始まっていると「ああいよいよ完成だな」という感じがするものです。
つまり照明を選択するという作業は、多くは住まいづくりの最終ラウンドにやって来ます。そこでなにかと「もう適当でもいいのでは…」という気分になりがちですし、「予算」が押して思うようにならない、ということも起こりやすくなってきます。でもそれではあまりに残念。質の高いインテリアをめざすなら、照明計画は間違いなくもっとも大切な要素のひとつだからです。


いつもは何気なく利用している照明器具ですが、実はとても奥が深い分野。
実際インテリアコーディネーター仲間には、仕事をしている間に照明のおもしろさにはまってしまって、専門的に勉強を重ねている人が何人もいます。
改めて言うまでもなく、『ひかり』は人のこころを何かほっとさせてくれる存在であり、住まう人の心理上の役割は決して無視できないものです。加えてインテリアにおけるその効果もまた計り知れないほど重要なものなのです。
たとえば、ひとつの部屋に数種類を組み合わせた照明は、複雑なひかりと影でその空間を変化にとんだ美しいものへと変貌させます。一室にメイン照明一灯の場合に比べ、その差は劇的とさえ言えるほど。
そしてまた、選び抜いたひとつひとつの照明器具自体の美しさは、重要なインテリアエレメントです。その空間で大きな存在感をしめし、格別のインテリア効果をもたらすことでしょう。
こうした点を考慮し、早めに照明計画のあらましを考え、あらかじめ必要な予算を充分に当てておくことをおすすめしたいと思います。