第6回 極上インテリアのための最後のピース「家具を選ぶ」。
家具というインテリアエレメント…
このシリーズもいよいよ最終回になりました。
最後のテーマは『家具』。
長い時間をかけて出来上がった空間に、いよいよ最後のインテリアエレメントである家具を選んでいきます。
ひとくちに家具といっても、必要性・機能性最優先のものから、どちらかというと装飾性に重点を置いたものまで実にさまざま。また「置家具」といって、購入して設置するだけの家具もあれば、オーダーで作り付けるタイプの「造作家具」もあります。今回はこれらをどう選んだらよいのかを考えてみましょう。
さて日本の工芸には「用の美」という言葉が良く使われますが、家具もまた「用途に応じた機能に裏打ちされた美意識」を意味するこの考え方がふさわしいのではないかと思います。ですから機能性ばかりではなく、空間に溶け込んでインテリアを引き締めたり、視覚的なアクセントとなったりという部分も大切にしたいのです。
上手な家具選びのポイントは以下の5つ…
インテリアに似合う「形・素材」であること
インテリアに似合う「色」であること
空間に合った「サイズ」であること
家具としての本来の「機能性」が優れていること
ご自分の好み・要望にあっていること

1の基本をクリアしながらも、最終的には感覚的にご自分の好きなタイプの家具であることが大切です。
たとえば、ソファを例にとります。

はわかりやすいと思います。たとえばモダンな空間に合わせるのであれば、モダンなデザインで、インテリアとカラーコーディネートしたソファ、ということです。

はリビングでの設置場所にふさわしいサイズを慎重に選ぶということ。どんなに気に入ってもサイズが合わなければ断念せざるおえません。

は座る人数、座り心地すなわち高さ・堅さ・姿勢・手触りなどの機能的な部分の検討です。

そして。一緒に長い間暮らす家具ですから、かなり重要な部分です。何となく好き、とか、一目ぼれ、というような感覚が家具と人との間にも存在します。この感じも大切にするべきです。どんなにおしゃれでどんなに高価でなおかつ機能的でも、好きになれない、ちょっと違う、と感じる家具との暮らしはしっくりしないものです。こんなソファがほしかったと心から感じる、そんな直感もぜひ大事にしていただきたいと思います。