◆おすすめはスタンド照明
私がモデルホームのインテリアコーディネートでひかりの演出を考える時は、必ず「スタンド照明」あるいは「間接照明」の効果を狙うことにしてます。なぜなら、天井のシーリングは上からの照明なので、影はすべてストレートに下にいきます。ところがたとえば「スタンド」を部屋の隅や家具のそばに配置しますと、その陰影は三次元的に広がりを持ち、立体感ある温かな雰囲気のひかりと影を生み出します。これがスタンド照明の効果です。この効果を、モデルホームでお客さまにご説明する際、ことばよりももっと解りやすいのは、試しにスタンドを消してみることです。スタンド照明が消えた途端にいままで華やかだった部屋がなんとも平面的でそっけないものに変わってしまい、その差は歴然。お客さまにスタンドの効果をとてもよくわかっていただけるのです。
日本人には学習机のスタンド以外なかなか馴染みが少ないものですが、使ってみるとその大きな効果は感動的。設置もコンセントひとつでごく手軽ですから、一度ぜひその効果をお試しいただきたいと思います。 |
◆上級感覚なら間接照明
もう一つのおすすめ演出は「間接照明」です。これは照明器具を直接見せないで、ふわふわした間接的なひかりのみで空間を照らす手法。基本的には建物と一体でプランするので、建築家照明とも言われます。このタイプでは、天井の一部を一段高く仕上げる、いわゆるおりあげ天井のなかに光源をかくす手法がよく知られていますが、アイデア次第でバリエーションも豊富。また必ずしも建築にからめなくても、後付けでも充分可能です。たとえば蛍光灯1本あれば直接食器棚の一番上において照らしたりすることでやわらかな光を楽しむことができます。最近では、光源を敢えてかくすことにより間接照明の効果を楽しむことのできる照明器具も増えてきていますから、利用するとよいでしょう。ブラケット照明やペンダント照明にもこのタイプはありますし、家具たとえばテーブルなどの内部に間接照明を取り入れ、ふわっと上部を照らす効果のあるものもあります。こんなちょっと変わったデザインの「ひかりの家具」をあしらうのも楽しいアイデアです。 |