ミドルドアなキッチンの使い方【グランピング先駆者が語る、「ミドルドア・ライフ」な暮らし方 第2回】

住まいづくりの準備
  • 公開日:2021/12/15
  • 更新日:2021/12/15
タイトル:MIDDLE DOOR LIFE vol.02

アウトドアの魅力を住宅に取り入れるための、ちょっとしたヒントをご紹介。
キャンプ場・グランピング施設の企画開発を務める吉村司が提案する、新ライフスタイル「ミドルドア・ライフ」とは?

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    キャンプ・グランピングのプロデュースをしている、ABC Glamp&Outdoorsの吉村です。僕が新提案するライフスタイル「ミドルドア・ライフ」、全5回のシリーズでお届けします。

    僕は普段、キャンプ場、グランピング施設の企画開発や、グランピング専門雑誌Glampの編集長を担っています。その経験から、アウトドアをもっと楽しむためのアイデアとして、アウトドアの魅力をインドア(住宅)にも取り入れる新しいスタイル「ミドルドア・ライフ」をおすすめしています。

    「MIDDLE DOOR LIFE~ミドルドア・ライフ」

    開放感、自然の安らぎ、四季の移ろいといったアウトドアの魅力を住宅(インドア)に取り入れるライフスタイル。
    アウトでもインでもない「ミドル」の世界観。

    そんなミドルドア・ライフの様々な楽しみ方をお伝えするコラムの第2回は、「アウトドアなキッチンの使い方」のご紹介です。
    (これまでのコラムはこちら

    プランニングの絶対条件は、「自然を感じるキッチン」

    僕の淡路島の家は、ミドルドア・ライフをコンセプトにしています。2階建ての小さな家ですが、約20畳のデッキテラスを海の前に設置し、そこでダイニング&リビングも楽しんでいます。本当はすべてをデッキテラスに持ってきたかったのですが、さすがに外にキッチンを作ることはできませんでした。
    でも、ミドルドア・ライフのコンセプトからすれば、キッチンに居ながらにして屋外の風や波の音を感じるというポイントは譲れません。そこで、デッキテラスと室内キッチンをつなげるようにレイアウト。ウッドデッキへの入り口となるガラス戸を挟んで、インドアとアウトドアが一体になるようにしました。

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    写真1:キッチンからデッキへの目線。ガラス戸を挟んですぐの距離です

    ガラス戸を開けば、キッチンからすぐに外にでることができます。これで、絶対条件だった「自然を感じるキッチン」が実現しました。一般的には、機能性・収納力・生活動線を考えてキッチンの位置を決めるので、「自然を感じるキッチン」を第一に考えることは少ないと思います。しかし我が家の場合は最優先のテーマだったので、機能性や収納力には一旦目をつむり、先にキッチンのレイアウトを確定しました。そこから、リビング、バスルーム、トイレ等を展開していったのです。

    バー仕様のセパレートキッチンは、パーティーで大活躍

    こうしてキッチンの位置をベースに考えていった我が家の間取り。でも問題が生じました。決して広い家ではないので、キッチンを優先したレイアウトにすると、ダイニングテーブルが置けない!! 仮に置くと、リビングには小さいソファーさえ置けなくなってしまいます。でも、キッチン位置は譲れない。悩んだあげくたどり着いた結論は、ダイニングテーブルの設置を諦めて、ダイニングテーブル仕様のカウンターキッチンにすることでした。

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    写真2:自慢のⅡ型セパレートキッチン全体図。手前のカウンターはバーを意識しました

    すると、我が家で一番長くキッチンに立つ妻からも、「それならカウンターに三口コンロを設置してオープンキッチンにしたい!でもシンクで食器を洗うところをお客様に見せたくないから、シンクは壁面収納棚に設置するのはどう?」と次々とアイデアが出てきました。

    コロナ前の我が家は、夏ともなると毎週のようにゲストが大勢やってきます。多い時には20人なんてことも。その際にはこのキッチンが大活躍します。カウンターキッチンは料理や食材を並べるスペースに。そこからデッキテラスにあるアウトドア・ダイニングテーブルへと食材を移動させ、その横に設置した炭焼きコンロにピックアップします。流れるような動線になっていて、ガラス戸を開け放てば屋内外一体のパーティー空間になります。

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    写真3:パーティーの際は、カウンターいっぱいに食材が並びます

    料理を作るのは妻の仕事、お肉をコンロで焼くのは僕の仕事です。お客様にも調理や配膳を協力してもらい、全員で仕事して楽しむのが我が家のホームパーティー・スタイルになりました。それも自然を感じるキッチンだからできることでした。

    さらに、年に数回は淡路島の馴染みの料理店に出張してもらい、我が家で本格的な料理をふるまうこともあります。淡路島の食材をふんだんに使った割烹料理を披露してくれる日本料理店のご主人には「吉村さんの家だから出張するんですよ。海を目の前にして料理を作るのは最高の気分だし、何よりもキッチンがお店仕様で使いやすいですからね」とお褒めの言葉をいただきました。元々は苦悩のあげくに導き出したキッチンですが、「自然を感じる」ことにこだわった結果、大満足な空間となりました。

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    写真4:出張料理の風景。シャンデリアがさらに良い雰囲気を醸し出してくれます

    注文住宅なら叶えられる、自然を感じるキッチンを取り入れた設計

    淡路島の海を感じるキッチンは、ちょっとしたアイデアの積み重ねで一層楽しい空間になりました。そんなアイデアは注文住宅を建てる際にも活かせるのではないでしょうか? 僕の家ではウッドデッキに20畳もの広さを費やしたことによる試行錯誤だったのですが、プランよっては、システムキッチンの機能性や収納力はそのままに「自然を感じるキッチン」が実現できそうです。まずは「キッチンでどんなふうに過ごしたいか」ということから考えてみてはどうでしょう。すると、思わぬアイデアや発見に出会えるかもしれません。

    屋外に繋がるキッチンを採用した事例

    吉村’sチェック

    目の前にバルコニーが広がるキッチンは、明るく開放的で気持ちがよさそうです

    吉村’sチェック

    アウトドアリビングから繋がるダイニングキッチンは同じタイルを敷くことで一体感が生まれています

    吉村’sチェック

    家の中央にある中庭は全ての部屋に繋がっていてプライベート空間ながら光も風も届けてくれます

    吉村’sチェック

    カフェ風インテリアのセパレートキッチンで機能性と快適さを両立しています

    他にもいろいろ! 注文住宅の事例をチェック

    場合によっては1日で居る時間が最も多くなることもあるキッチン。機能性も大切ですが、快適さやお洒落さを追求してみるのもアリ、かもしれませんよ。注文住宅なら、自由なオーダーに応えた設えも可能になりますね。

    次回、Vol.3では冬のアウトドアリビングの過ごし方をご提案します。

    執筆・情報提供

    ABC Glamp&Outdoors代表取締役
    吉村 司

    フリーライター・雑誌編集者を経て、2012年、淡路島にグランピング・キャンプ場「FBI Awaji」を開業。2015年には日本初のグランピング専門雑誌「Glamp」(講談社)を創刊する。その後、数々のグランピング施設をプロデュースするなど、”グランピングブーム”を作った立役者の一人。“日本の自然をもっと楽しくする”ことを掲げて精力的に企画開発を行い、アウトドア&グランピングのライフスタイルを啓蒙している。

    グランピング施設のご紹介
    FBI Awaji
    淡路島・洲本市の海が目の前にあるグランピング・キャンプ場。島ならではの自然を自由なスタイルで体感できるように、常設テントやキャビンをご用意しています。