土地購入にかかる諸費用は7つ。考えるべきポイントを整理して計画的な家づくりを

予算と資金計画
  • 公開日:2022/11/10
  • 更新日:2022/11/10

土地を購入する際は、土地代のほかに諸費用がかかります。家を建てるために土地を購入する場合、予算オーバーとならないように諸費用を理解しておくことが大切です。そこで今回は、土地購入にかかる7つの諸費用と考えるべきポイントを解説します。

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    土地購入の諸費用とは?

    土地購入の諸費用とは、土地代のほかに必要な費用のことです。土地の販売価格が1,500万円の場合、1,500万円でその土地が買えるわけではありません。実際には、各種手数料や税金などが諸費用として販売価格に上乗せされます。

    また、土地は高額なので諸費用が100万円を超えるケースもあります。そのため、販売価格だけを見て土地を購入すると諸費用が予想以上にかかり、資金が不足するおそれもあるので注意しましょう。

    土地購入にかかる諸費用の目安

    土地購入時の諸費用は、土地代の5~10%程度が目安です。たとえば、販売価格2,500万円の土地は、土地代とは別に125~250万円程度の諸費用がかかります。また、実際にかかる金額は、住宅ローンの有無や購入する土地の状況などによっても異なります。

    そのため、土地探しの段階における諸費用は、概算で判断してもいいでしょう。しかし、購入する土地が決まったら、売買契約を締結する前に諸費用を試算しておくことが大切です。

    売買契約時は手付金が必要

    土地購入で売買契約を締結する際に、売主に対して手付金を払う慣習があります。この手付金は、土地代の5~10%程度が相場です。また、売買契約後の一方的なキャンセルを防止するため、買主から契約解除を行うには支払った手付金を放棄しなくてはなりません。

    一方、売主から契約を解除する場合は手付金の2倍の金額を買主に支払います。この際、手付金を払っても土地代の一部を支払ったことにはなりません。ただし、土地が引き渡されて残代金を支払う場合、手付金は土地の売買代金に充当されるのが一般的です。

    そのため、手付金は土地購入の諸費用ではなく、実質的には土地代の一部前払いといえるでしょう。

    土地購入にかかる7つの諸費用

    家を建てるために土地を購入する場合、具体的にどのような諸費用がかかるのでしょうか。そこでここからは、土地購入時にかかる代表的な諸費用を7つ紹介します。

    仲介手数料

    仲介手数料とは、土地売買の仲介を依頼した不動産会社に支払う手数料です。仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法において上限が定められています。
    土地代が400万円以上かかる場合、仲介手数料の上限額は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。たとえば、2,500万円の土地を購入した際の消費税率が10%である場合、仲介手数料は以下のように計算します。

    2,500万円の土地を購入した場合の仲介手数料(消費税率10%)

    • ●(2,500万円×3%+6万円)×1.1%=89.1万円

    不動産会社(宅建業者)が所有する土地を直接買い取る場合、一般的に仲介手数料はかかりません。しかし、土地の買取は仲介に比べて販売価格が割高になる可能性があります。

    売買契約書の印紙税

    印紙税は、土地購入で売買契約を締結するときにかかる税金です。こちらは、土地代(契約金額)に応じて売買契約書に税額分の収入印紙を貼付します。土地売買における印紙税額は以下の通りです。

    契約金額 本則税率 軽減税率
    100万円超 500万円以下 2,000円 1,000円
    500万円超 1,000万円以下 1万円 5,000円
    1,000万円超 5,000万円以下 2万円 1万円
    5,000万円超 1億円以下 6万円 3万円
    1億円超 5億円以下 10万円 6万円

    本来、印紙税には本則税率が適用されます。ただし、2024年(令和6年)3月31日までに作成される売買契約書については、軽減税率が適用されます。たとえば、2024年(令和6年)3月31日までに3,000万円の土地を購入する場合、印紙税額は1万円です。

    固定資産税・都市計画税

    固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点の土地所有者に対して課税される地方税です。土地が所在する自治体から納付書が届き、年4回(第1期~第4期)に分割もしくは第1期に1年分をまとめて納付します。

    この際、売主は1年分の固定資産税・都市計画税を納めています。そのため、年の途中で土地を売買する場合は、買主の負担分を日割り精算しなくてはなりません。通常、買主が負担する税額を土地売買代金の支払い時に精算します。

    固定資産税・都市計画税の税額

    固定資産税・都市計画税の税額は、自治体によって異なります。東京都、大阪府の場合、固定資産税・都市計画税の税額は以下の通りです。

    固定資産税・都市計画税の税額(東京都の場合)

    • ●固定資産税:固定資産税評価額(課税標準額)×税率1.4%(標準税率)
    • ●都市計画税:固定資産税評価額(課税標準額)×税率0.3%(制限税率)

    固定資産税・都市計画税の税額(大阪府の場合)

    • ●固定資産税:固定資産税評価額(課税標準額)×税率1.4%(標準税率)
    • ●都市計画税:固定資産税評価額(課税標準額)×税率0.3%(制限税率)

    固定資産税評価額とは、自治体の固定資産課税台帳に登録されている評価額です。制限税率は、自治体が条例で定めている税率を意味します。正確な税額を知りたい場合は、購入予定の土地が所在する自治体に確認しましょう。

    固定資産税・都市計画税は土地取得後も毎年かかる

    固定資産税・都市計画税は、土地取得後も毎年課税されます。そのため、土地を購入して家を建てる場合は維持費を考慮しておくことも大切です。

    住宅ローンの手数料

    土地を購入するときに住宅ローンを組む場合、金融機関に手数料を支払う必要があります。代表的な手数料は以下の2つです。

    住宅ローンの主な手数料

    • ●事務手数料
    • ●保証料

    土地購入では、つなぎ融資を利用することが一般的です。ただし、マイホームを建てることが目的であれば、住宅ローンを利用できる金融機関もあります。

    事務手数料

    事務手数料は、住宅ローン契約の事務手続きについて借主が負担する費用です。事務手数料の支払方法は、定額型と定率型の2つに分かれます。

    定額型は、借入金額にかかわらず一定の手数料を支払う方法です。一方、定率型は借入金額の一定割合を手数料として支払います。事務手数料の相場は、借入金額の2%程度です。

    保証料

    保証料は、住宅ローンの借主が保証会社と保証契約を締結する際にかかる費用です。保証料を支払うと、借主が住宅ローンを返済できなくなった場合に、保証会社が代わりに借入金を一括返済してくれます。多くの金融機関では、保証契約を住宅ローンの利用条件としています。

    また、保証料の支払方法は前払い型と金利上乗せ型があります。前払い型は、住宅ローン契約時に保証料を一括で支払う方法です。一方、金利上乗せ型は住宅ローンの適用金利に保証料が上乗せされます。

    前払い型は借入金額の2%程度、金利上乗せ型は住宅ローン金利+0.2%程度が相場です。

    登録免許税

    登録免許税とは、購入する土地の所有権移転(名義変更)や住宅ローンの抵当権を設定する際にかかる税金です。登録免許税は、内容や土地の評価額によって税額が変わります。

    所有権移転登記

    土地の所有権移転登記の登録免許税額は、以下の算式で計算します。

    土地の所有権移転登記の登録免許税額

    • ●固定資産税評価額×0.2%(軽減税率0.15%)

    2023年(令和5年)3月31日までに登記を受ける場合、0.15%の軽減税率が適用されます。たとえば、購入する土地の固定資産税評価額が2,000万円の場合は、所有権移転登記の登録免許税額は3万円(2,000万円×0.15%)です。

    抵当権設定登記

    住宅ローンの抵当権設定登記の登録免許税額は、以下の算式で計算します。

    住宅ローンの抵当権設定登記の登録免許税額

    • ●住宅ローンの借入金額×0.1%

    たとえば、住宅ローンの借入金額が3,000万円の場合、抵当権設定登記の登録免許税額は3万円(3,000万円×0.1%)です。

    司法書士報酬

    所有権移転登記や抵当権設定登記の手続きは、司法書士に依頼することが一般的です。自分で行うことも可能ですが、専門知識が必要なので難しいときは代行を依頼しましょう。

    司法書士に依頼する場合は、登録免許税の他に報酬が発生します。司法書士報酬は10万円程度が相場です。通常、不動産会社や金融機関が司法書士を紹介してくれるので、事前に報酬金額を確認しておくと安心です。

    不動産取得税

    不動産取得税は、土地を取得した人に課税される地方税です。取得から6か月程度で、土地の所在地を所管する自治体から納付書が送付されます。不動産取得税の税額は以下の通りです。

    不動産取得税の税額

    • ●固定資産税評価額(課税標準額)×3%

    ただし、取得する土地が宅地の場合、2024年(令和6年)3月31日までは課税標準額が2分の1となります。

    土地購入でかかる可能性がある費用

    購入する土地の状況によっては、先述した費用とは別に以下の費用がかかる可能性もあります。

    建物の解体費用

    建物付きの土地を購入して新たに住宅を建築する場合、建物の解体費用がかかります。費用相場は1坪あたり3~5万円程度です。ただし、解体費用は建物の構造や面積、形状、立地などによって変わります。

    そのため、建物の解体を依頼する際は複数の業者から相見積もりを取り、費用を比較することが大切です。また、物件によっては建物の解体費用が売主負担となるケースもあります。可能であれば、売買契約前に売主と交渉してみるといいでしょう。

    上下水道の負担金

    インフラが整備されていない土地を購入する場合、上下水道を引き込む工事が必要です。その際、工事費用のほかに受益者負担金や水道加入金といった費用が発生します。金額は自治体によって異なるので、土地所在地の自治体に確認しましょう。

    地盤改良費用

    地盤調査の結果、住宅を建てるのが難しい場合は地盤改良工事が必要です。通常、地盤調査は土地購入後にハウスメーカーを通して行われます。そのため、予算に組み込んでおかないと予想外の出費になることも考えられるのです。

    地盤改良費用は土地の状態や工法によって変わりますが、相場は50~100万円程度です。

    測量費用

    土地を購入する際は、隣接する土地との境界線を明確にしておく必要があります。境界が不明確な場合、話し合いがうまくいかなければトラブルになりかねません。

    土地の売買では、隣人の立ち会いのもと売主が境界線について買主に明示することが基本です。隣地との境界線が不明確であれば、売主に測量を依頼しましょう。ただし、売主が費用を負担するのが難しい場合は、買主負担となる可能性があります。

    農地転用費用

    農地を宅地に転用する場合、自治体への届出が必要です。基本的に都道府県知事の許可が必要ですが、市街化区域内の土地は農業委員会への届出だけで済みます。

    また、農地転用の申請は無料ですが、書類作成や手続きには専門知識が必要です。通常は行政書士などの専門家に依頼するため、10~20万円程度の費用がかかります。

    土地を購入する際に考えるべきポイント

    家を建てるために土地を購入する場合、以下のポイントをおさえておくことが大切です。

    土地購入の流れを理解する

    はじめに、土地購入の流れを理解することから始めましょう。手続きの流れが分かると、スケジュールや資金計画を立てやすくなります。土地購入の一般的な流れは以下の通りです。

    土地購入の流れ

    1. 希望条件や予算を決める
    2. 土地を探す
    3. 買付証明書を提出する
    4. 売買契約を締結する
    5. 住宅ローンを申し込む
    6. 土地の引き渡し・所有権移転登記を行う

    まず、どのような暮らしをしたいのかイメージしたうえで、希望条件に合致する土地を探します。気に入った土地が見つかったら、不動産会社に買付証明書を提出しましょう。売主と合意できたら売買契約を締結し、住宅ローンの申し込みを行います。

    融資実行後、残代金を支払い所有権が買主に移転すれば手続きは完了です。土地購入手続きの詳細は、土地探しの段階で不動産会社に確認しておきましょう。

    資金計画を立てる

    土地購入では、土地探しを始める前に資金計画を立てておくことも重要です。土地購入時には、土地代のほかにさまざまな諸費用が発生します。先述したように、土地の状態によっては地盤改良費用などがかかることも考えられるためです。
    そのため、予算は無理のない金額で設定し、住宅ローンの借入金額も収入の範囲で確実に返済できる金額に留めておきましょう。

    土地の周辺相場を調べる

    購入したい土地のエリアが決まったら、周辺相場をチェックします。相場を理解していないと、不動産会社から土地を紹介された際に、その価格が割安か割高かを判断できません。

    相場を把握しておくと必要に応じて価格交渉することも可能です。そのため、適切に購入判断ができるように、インターネットを活用して土地価格の相場を調べておきましょう。

    信頼できるハウスメーカー・不動産会社を探す

    希望条件に合致する土地を見つけるためには、信頼できるハウスメーカーや不動産会社を探すことが重要です。業者によって、分譲地の所有数や提携金融機関、サービス内容などは異なります。

    また、担当者との相性も重要な要素です。販売実績やインターネット上の評判、担当者の印象などを参考に、安心して依頼できる業者を探しましょう。

    契約解除の条件を確認しておく

    希望条件に合致する土地が見つかっても、途中で考えが変わって契約を解除したいと思う可能性もあります。そのため、万が一に備えて売買契約を締結する前に契約解除の条件を確認しておきましょう。

    土地を購入する場合は余裕を持った計画を

    家を建てるために土地を購入する場合、土地代の5~10%程度の諸費用がかかります。土地の状況によっては、さらにまとまった費用がかかることもあるでしょう。当記事で紹介した諸費用や、土地購入前に考えておきたいポイントをおさえて、無理のない資金計画を立ててください。

    執筆・情報提供

    AFP、FP2級
    大西勝士

    早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。FP資格や投資経験をもとに、大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで記事の執筆や監修を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。