インテリア訪ねあるき

京指物の伝統の技を守り、本物の和のあかりを作り続ける株式会社和田卯(わだう)を京都に訪ねました

京都の中心部から少し入ったところ、仏光寺の近くに京都らしい店構えの和田卯があります。

江戸末期からの指し物の工房が明治になって店を構えました。ちょうど卯の年だったので「和田卯」と名づけられました。

呉服の箱などの指物と照明の両方を作ってきましたが、先代の頃から照明の専門店となりました。

後継者を育てるためにも手を抜かず、素材・技法ともに本物を作り続けたいと考えています。

【施工例1】
平成17年に開館した京都迎賓館のフロアスタンド。折り紙で提示されたデザインの繊細で複雑な作りを、和田卯の高度な指物技術で実現しました。

【施工例2】
京都を代表するような老舗料亭で愛用されています。

【施工例3】
美しい日本の座敷には、柔らかなあかりがよく似合います。

伝統工芸のよさを多くの人に伝え、広めることを使命と考えています。

町家行灯と呼ばれる伝統的な形の行灯。
フレームの素材は最高級の秋田杉。

電気のコードは細い支柱の中。華奢なのに丈夫なところが技術の高さです。

和紙を張ったセード部分は取っ手に沿って上方向に簡単にはずせます。

角の部分は三方トメ。接着剤を使わない伝統の組み手による接合。丈夫で長く使えます。

六角形と角型の行灯はオリジナルデザイン。
こだわりのディテールが光ります。

ネットの画面ではなかなか実際の感覚が伝わりません。ぜひ実物を体験してください。

楕円型の天井灯。
細く美しいカーブのフレームは秋田杉の4層材。たくさんの放射線状の材がぴたり一点に収束しています。

秋田杉は年月とともにあめ色に変化していきます。貼替えた和紙の白さとのコントラストは美しく、長く使うほどに一層の愛着が生まれます。

JR大阪三越伊勢丹の6Fでは、和田卯の商品を扱っています。こちらでも購入可能ですし、また特注品のオーダーも承っています。

今回の照明器具2ヶ所の訪問記はいかがでしたでしょうか。
少し前までは、建築家やデザイナー・コーディネーターが、仕様書にメーカーと品番を書き込んで初めて使う人に届く、いわばプロ御用達であったものも消費者が直接購入できる時代になってきました。ネットやショールーム、店頭など、こだわりの一品を見つけにお出かけください。

取材協力

(2012.03.14更新)

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