第7回 いぶし瓦の技術をインテリアタイルに No.1

国宝であり世界遺産でもある姫路城。かつて城主は姫路城の瓦を造らせるために全国から瓦業者を集め、最盛期には城下で40軒もあった窯元が今では今回訪問した光洋製瓦さん1軒を残すのみとなりました。
姫路城に用いられる瓦は最高級のいぶし瓦。伝統の製法を守り続ける光洋製瓦さんは改修工事の度に鯱瓦や鬼瓦をはじめとして数多くの瓦を作ってきました。

JR姫路駅で播但線に乗り換え

新しく建て替えられた姫路駅の1番線ホーム、2輌編成のワンマンカーが播但線です。
播但線の香呂駅から車で10分あまり、田畑が広がる播磨平野の真ん中、煙突が目印の光洋製瓦さんの工場に到着。

日本瓦は施釉(せゆう)瓦、無釉(むゆう)瓦、いぶし瓦の3種類に大別されます

施釉瓦の例
素焼きの上に釉薬を施して焼き上げたもの。
無釉瓦の例
素焼きの瓦。表面はざらざらしています。
いぶし瓦
焼成の最終段階で煙でいぶします。独特の鈍い光沢と硬質な焼き上がりが特徴。

工場の様子を見せてもらいました

粘土は機械でこねられ少しずつ押し出されてきます。土の配合や柔らかさなど季節や天候、作るものに応じてコントロールされます。
出口の形は作るものによって取り換えられます。
押し出された粘土はピアノ線で粗切りされ次の成形の工程へ。
成形後の仕上げの工程。表面を滑らかにし焼き上がりを想定して反りなどを調整。
窯は3基。中央は窯詰め中。いぶしの工程は熟練の技術が必要です。

伝統の技術に自信を持っています

姫路城の天守の屋根に乗っているのと同じ鯱(しゃちほこ)がJR姫路駅前に展示されています。
これは今進められている赤穂城修復のための瓦。
すべての瓦の裏には姫路光洋瓦の刻印が押されています。
神社やお寺などの屋根の葺き替えも大切な仕事です。葺き替えの施工も請けています。

姫路城の屋根の修復も手掛けた光洋製瓦さんへの訪問はいかがでしたでしょうか。
次回は新しい分野のインテリアタイルをご紹介しましょう。

(C) ABC HOUSING

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