伝統のこころとわざを再発見 第8回 組子をモダンに使う No.2

前回は工場の様子を見せていただきましたが、今回は施工例をご紹介しましょう。

伝統の組子細工が洋室に展開されている例

リビングの壁面一杯に設置された組子の障子によって、柔らかな光と精緻な細工が織りなす深い癒しの空間が広がります。
3種類の図柄がシンプルかつ大胆に組み合わされています。
洋室では家具が配置されるため建具の装飾性は控えめが合います。横一列だけの麻の葉に心が和みます。

建具の例をもっと見せてもらいましょう

素通しで用いるのもなかなかいい感じですね。吊り式のスライドドアだと細いフレームが可能です。
寝室のスライドドア。
開き戸はフレームが太めになります。
浜田市内のレトロな建物。入り口の大きな両引き戸にはオリジナル図柄の組子が使われています。

建具以外でも活躍しています

嵌め殺し窓に設置された装飾パネル。夜、外から見ると部屋の明かりで組子模様が浮かびます。
介護施設のエントランスに設置されている大型の照明器具。組子模様でやさしく迎えます。
ホテルの居室装飾。モザイク調に様々な組子紋様が取り入れられています。

和の空間ではもちろん大活躍

障子の下半分を上下にスライドさせて庭が見られる「雪見障子」。和室二間をぐるりと囲む模様は「霞」。
和の空間をモダンに演出する飾り障子。伝統の図柄も使い方で斬新なイメージになります。
二連の花台付き衝立。これは素通しですが紙を貼ってもよさそうです。

組子を現代の空間に活かす試みを続ける吉原木工所さんの取材はいかがでしたでしょうか。
ある時は建築家やデザイナーと組み、ある時は顧客から直接注文を請けて創り出す。道を切り開いていくにはそんな柔軟な仕事の進め方が大切なのかもしれません。

取材協力
(C) ABC HOUSING

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