住宅購入の主役は
なんと言っても女性です
|
魚住 いちのせさん、7〜8年前のことですが「女性のためのマイホーム購入セミナー」をトークショー形式でご一緒したことを覚えていますか?会場となったホテルのスイートルームは、母娘や友人ペアの女性でいっぱいでした。
いちのせ 一泊50万円の部屋を見てみたい好奇心もあったやろうけど(笑)。いやあ、女性は家に対する思い入れが強い!物件を細部にわたって研究しているし、検討する目も肥えている。いざ購入となったときの思い切りも驚くほどいい。
魚住 私の周りでも30歳代後半になると、購入する女性がガゼン増えます。「家賃を払うのがもったいない」は、購入した誰もが言いますね。東京の四谷に住むY子は、仕事場と住まいが兼用のためスペースが必要。借りていた時の家賃は、月に25万円もかかっていたとか。仕事に生きがいを感じているM美は「頑張って働いた対価を形に残したい」と言っています。
いちのせ そのくらいの年齢になるとコツコツためた頭金もある程度の額になっているやろしね。ぼくは「両親と一緒に暮らしたくて購入する」人からの相談もよく受けます。その場合は一戸建てを好みますね。親の土地に建てなおしたり、新たに物件を探したり。いずれにしても資金繰りは自分でという親孝行娘たち!頼もしい限りやね。「生涯独身で」とキッパリしている感じも見受けられる…。
魚住 う〜ん、私の友人たちは、一生独りでとは決めていないようです。結婚して一緒にそこで暮らしたら、相手から家賃としてお金を入れてもらうとか、今の家は売却するか、人に貸すなりして引っ越すとか…。家を買ったからといってそのことに縛られることのないように結婚も視野に入れた購入をしています。40歳過ぎてからも人生いろいろだから(笑)。
いちのせ そういえば、子育ての環境を考えて一戸建てを購入したシングルマザーも、「人生いろいろ」って言うてたなあ。資金は離婚時に精算したお金だとサバサバした様子でした。時代を感じますな。
|
|
女性ならではの住宅選びとは
|
いちのせ 確かに女性の場合は暮らしに変化がおきやすい。選ぶときには、物件価値が下がりにくく、借り手がつきやすい物件を選ばないとあかんね。さらに次の物件購入でローンを組むことまで想定したら、できれば「売却」に耐えうるものに。 |
|
魚住 「人気のある町で、駅に近く、誰にとっても使いやすい間取りであること」を重視して選んだM美は「地価の高騰などもあって物件価格は下がってない」とニンマリです(笑)。
いちのせ ホンマ女性はしっかりしてる(笑)。さらに40歳台後半になると、老後も気になるようで「年をとってから独りで家を借りようと思うと難しいから、購入して住まいを確保したい」と考える人も。年齢や職業などによって借り手を選ぶのは法律違反なんやけど、実際問題としては貸してくれないこともあるしなあ。
魚住 それは大きな不安材料ですね。
年齢に関係なく、防犯設備や、駅から自宅まで夜でも安心して歩けるかどうかも気になりますね。
そうそう、中古の一戸建てを購入したH代は、あとから不具合に気づき、修理が必要になって嫌な思いをしたそうです。「物件のチェックはしっかりしておいた方がいい」って言ってたけど一般の人にはなかなか難しいですね。結局、彼女は住み替えました。
|
|
|
肝心かなめの資金はどうする?
|
魚住 資金調達の苦労話しも尽きません。「フリーランス」「独身」「女性」と融資元から嫌われる条件が3拍子揃ったM美は、住宅ローンを借りようにもなかなか審査がおりません。「私が家を買うから結婚して!って彼氏に迫ったら?」とか「過去の申告を修正して収入を上げたら?」と住宅販売担当者に嫌味を言われたと泣いていたっけ。Y子もフリーランス。購入までは死ぬ気で働いて一時的に収入をグンと伸ばしたそうです。二度としたくないと…。
いちのせ 女性に対する貸し渋りはかなりあった。最近は、女性のほうがきちんと返済してくれるという認識も高まり、積極的に女性専用ローン商品を打ち出す金融機関もあるほど。種類もバラエティに富んでいます。「セキュリティサービスを優遇した特典」や「出産・子育て中の元金返済据え置きシステム」などが付いたユニークな住宅ローンもあるので自分に合ったものを探すといいですよ。
魚住 「オール電化」や「オールガス」など物件の状況によっては、住宅ローン金利を優遇する制度もあるので見逃せません。電気・ガス料金の節約プランに加えての住宅ローンの優遇は二重に嬉しいですね。いちのせさん、ほかに気をつけることがあればお願いします。 |
|
いちのせ 借りやすくなったとは言っても、本当にローンを返しきれるのか、いま一度考えんとあきません。仕事は安定的に続けられるのか、収入の増減見通しはどうか。そうしたことを鑑みると、返済負担を少なくするためにも頭金を多めに用意することをお勧めします。「変動金利」ではなく「固定金利」を選択すること。毎回の返済金額が一定だと計画がたてやすいから。「人生は変動でも金利は固定」。コレ忘れずに!
|
|