キッチンや浴室などの改修のほか、増築もしています。
増築したデッキ付きの書斎。デスクから庭を眺められる贅沢な空間。
長年まちづくりのコンサルタント会社を率いてきた橋本さんは、子供の頃は古くて嫌だと思っていた生家の価値を理解するにつれ、何とか維持したいと思うようになり、「元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会」を立ち上げました。
鯉に餌をやる橋本さん。
この元・正蔵坊と古庭園を橋本さんは「ながらの座・座」と名づけています。月一回のイベントを開催していますが、ちょうどこの日は有形文化財登録の発表と重なりました。
プログラムは古楽器(ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート)の演奏と、昭和初期の日本画家丸井金猊(まるいきんげい)の作品展。演奏者も天井が高くて音の響きが良いとの感想でした。
丸井金猊(1909−79)の代表作は東京宝塚劇場の壁画「薫風」(火災焼失)。
今回は壁画の下絵も展示されました。(写真右)
日が落ちてから参加者は縁側などに座り、庭に設置されたスクリーンでスライドを見ながら、近代日本美術史の専門家による解説を聞きました。
今回訪問した住まいと庭はいかがでしたでしょうか。
創建から365年が経ち、いつ宿坊としての役割が終わったのかも定かではないということですが、個人の住まいとして大切に住み継がれてきました。皆さんならこの空間でどんなことをしてみたいですか。
(2012.10.09更新)