インテリア訪ねあるき2

Vol.07 伝統的な和風住宅を訪ねて3

3番目に訪ねた和風住宅は繁華街からほんの数駅の大阪市内。
元は天光軒満月(初代)という大正から昭和前期にかけて活躍した浪曲師の住まいでした。石と灯篭のコレクターであったというその浪曲師のこだわりでつくられた庭と住まいは、不思議な魅力とパワーに満ちています。
ここを購入されたお父様の後を継いだリヴァ美佐さんをおたずねしました。

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庭と建物の名は「カルペ・ディエム」ラテン語で「一期一会」

付近はマンションや戸建が混在する住宅地。庭のある大きな区画の屋敷は、すっかり減ってしまいました。

右の屋根二つは場所を貸しているフランス料理店。門の中、松が見えているところが「カルペ・ディエム」。

昭和40年代に建設業を営んでおられたお父様が分譲販売するつもりで購入しましたが、庭の美しさから自宅にすることに。

型通りでない庭と建物の関係

主となる座敷から最も美しく見えるように作るのが日本の庭。手前を低く奥に行くほど高くして、ふつう、後ろは塀でおしまいです。

ここでは庭の周りを囲むように建物が配置され、四方から庭を見ることができます。向い側に建物が見えますが、美しさを損なうことなく景色の中に溶け込んでいます。

大きく池を作り、中島を配して石橋を架けたりする回遊式庭園は伝統的によく用いられる形です。

ここの美しさをいろんな人に楽しんで欲しい、とゲストハウスの認可を受けました

部屋数は限られていますが和風を楽しむ外国人のお客様が多いとか。元の雰囲気を残すため、古いものを生かすように気をつけています。

購入当初、庭を囲んで4棟に分かれていた建物をコの字につなげました。近年になってゲストハウスにするための改装も行いました。

暖炉のある洋室はギャラリーとして使用。今年の春には草間弥生展を開催しました。

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