インテリア訪ねあるき2

Vol.11 明治~昭和初期の洋館住宅を訪ねて 番外編

明治から昭和初期にかけて建てられた洋館住宅をいくつか訪ねてきましたが、今回は番外編として、公共建築のレトロな洋館をいくつかご紹介しようと思います。
東京駅の復元もあり、レトロ建築のプチブームかもしれません。
懐かしくも美しい、文明開化の時代の建物とインテリアをお楽しみ下さい。

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昨年10月、創建当時の姿に復元され再開業した東京駅丸の内駅舎

創建は1914 年(大正3年)、辰野金吾らの設計。太平洋戦争末期の東京大空襲で焼け落ちた南北2つのドームと、3階部分が復元されました。

中央にある皇族用の出入口もよみがえりました。

中央線のホームから見える復元された北側のドーム。八角形の屋根が日差しを受けて輝いていました。

ドームの内部は3階以上が創建当時の姿に復元されました。

クリーム色の壁面に白のモールディング(凹凸のあるレリーフ状の装飾)が美しい3階、4階と天井部分。

天井のワシの大きさは2m以上。

3階のアーチ型装飾は焼け残ったものをもとに復元されました。

1階は東京ステーションホテルの入口も見えます。

明治神宮外苑にある聖徳記念絵画館

明治天皇の在位中の事跡を描いた絵画80点を展示する絵画館。1926年(大正15年)に完成。設計は一般公募の1等入選作が元になっています。

玄関部分。石の組み合わせが美しい。

モダンなステンドグラスに見られるように、インテリアはセゼッションスタイルと言われています。

ホールへの扉。

地下室から玄関へ上がる階段もとても貫禄があります。

セゼッションとは
19世紀末のウィーンで結成された過去の様式に捉われない芸術運動。ウィーン分離派ともいう。グスタフ・クリムト、オットー・ワグナーらが中心で、その後に続くモダンデザインの先駆け。革新的なスタイルがなぜ天皇に関する建物に採用されたのかと驚きましたが、考えてみれば明治天皇は江戸幕府から王政復古を遂げた直後の天皇、新しい国づくりという意味ではうなずけます。

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