和風住宅3邸のうち2邸は大正から昭和初期にかけて建てられ、いずれも芸術家の住まいだったもの。
時代と住み手を反映して機知に富み、住まいを楽しむ気持ちがあふれています。
1邸は江戸時代初期の創建で、お寺の宿坊だったこともあり骨太な印象。
3邸ともに素晴らしい庭があり、伝統的な和風住宅では庭のウエイトの大きさを痛感します。
山元春挙(やまもとしゅんきょ)の別荘「盧花浅水荘」
元・正蔵坊と古庭園
Carpediem(カルペディエム)
大きくは変わらない和風住宅と比べて、洋館住宅3邸では建てられた年代順が見て取れますね。
様式デザインからモダンデザインへの建築・インテリアの歴史の流れをよく表現しているといえるでしょう。
木島櫻谷邸は西洋建築技術者の手を経ていないにもかかわらず、歴史の流れに沿っているのが
興味深いところです。
旧ハンター住宅
旧木島櫻谷邸
駒井家住宅
住宅に比べてデザインの特徴がよりはっきり表現される公共建築で違いを見比べてください。
流れがわかるよう年代順に並べました。
中の島図書館
(1904)
東京駅
(1914)
大阪市中央公会堂
(1918)
聖徳記念絵画館
(1926)
大阪府庁本館
(1926)
モダンスタイルの優位は続いていますが、気持ちが少し疲れているのでしょうか、
レトロなデザインや「和」のテイスト、自然素材のやさしさに惹かれる人が増えているように思います。
この1年間はそうした流れを意識しながら訪ねあるきましたが、お楽しみいただけたでしょうか?
次回からは、インテリアに関する展示会や見本市を回り、新しい発見をみなさんにお届けしようと思います。
(2013.4.12更新)