第5回 和室造作材邸別セットから置き和室へ No.1

長押(なげし)や回り縁、落し掛けなど和室を構成する多種類の造作材を、邸別にセット出荷する方法で業績を伸ばしてきた和歌山の株式会社丸紀さんは、「置き和室」という新しい商品を創り出そうとしています。

JRきのくに線に乗って南へ

特急「くろしお」に乗って和歌山駅を過ぎると大阪湾はもうお終い。紀伊水道の向こうに太平洋が見えてきます。
JR御坊(ごぼう)駅から車で約10分、和風造作材を中心に木製内装材をつくる株式会社丸紀の本社工場に到着です。
工場の周りに広がる田園風景。空との境に横一直線に見える防風林の向こうは海です。

本社の建物は木造です

工場の隣にある建物が本社です。
ログハウス風のデザインが目を引きます。
事務所内は高い天井に丸太の梁が渡ってウッディ感いっぱいです。

工場の中を案内してもらいました

和風造作材と聞いてもっとこじんまりした工場を想像していましたが、大きな機械が並んでいて驚きました。
狂いが発生しないよう集成材を芯材とし、きれいな木目の薄板を張り付けて造作材にします。
主な和風造作材の名称。たくさんの部材が和室を整えていくので、木目や寸法が揃っていると重宝します。床柱や床框は銘木を用いることが多いです。

紀州材を使って御坊の地で生産し続けること

紀州材を使うこと、創業の地で操業し続けることで地域貢献の志を実現しようとしています。

集成材に突板(つきいた・きれいな木目の材を薄板にしたもの)を張り合わせているところ。
柾目が美しい檜の突板。こうした化粧材には紀州材を使っています。
芯材に突板を張り合わせたあと角を整えます。
邸別にセット、梱包。図面から部材を拾い出す作業が大変。

次回は、新しい商品「置き和室」をご紹介しましょう。

(C) ABC HOUSING

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