第11回 越前和紙の産地で生まれた水をはじく和紙壁紙 No.1

越前和紙の産地として知られる福井県でインテリア関連商品を扱う商社の(株)丸和さんは、約10年前に水をはじく和紙壁紙の開発に成功し「玉紙(たまがみ)」シリーズが誕生しました。自社工場を持たないので商品の一部を作る山田兄弟製紙株式会社の工場に案内していただきました。

工場は越前和紙の工房などが立ち並ぶ五箇(ごか)地区にあり、JRでは武生(たけふ)が最寄駅

JR特急サンダーバードに乗れば大阪から2時間弱。駅近くには物資の中継地として栄えた頃の蔵を店舗などに再生した広場もあります。
武生駅から車で約15分、和紙の里五箇地区には紙の文化博物館があり、技法や歴史のほか様々な種類の和紙が展示されています。
山田兄弟製紙さんは機械抄きの工場ですが、和紙の里にふさわしい年月を感じさせる表情の木造です。

機械抄き工程のあらまし

工程順に工場の中を見せていただきました。

原材料の一つ木材パルプは厚紙状態で入荷します。
河原に生える「よし」を製紙用に加工したもの。玉紙の一つになります。
ほぐしたパルプを洗浄。八角形のドラムは細かいメッシュで水分を調整するもの。
玉紙の「雲華」という商品になる原料に染料を加えているところ。
ゴミ取りを経て紙を抄く直前の原料。
紙を抄いているところ。できたての紙は上へ送られます。
吸水や乾燥を経て巻き取りへ向かい工場の中を流れていきます。
終点である巻き取りに到着。ロールで出荷されるものもあります。
平判で出荷するものは大きな鎌のような刃物で粗切り。
検品を経て正確な寸法に裁断されます。その後包装され出荷へ。

落ち着いた木造の外観からは想像できない広さと、大きな機械が並ぶ工場の様子はいかがでしたか。
次回は玉紙シリーズの製品や施工例を見せていただくことにしましょう。

(C) ABC HOUSING

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