住宅エコポイントや住宅取得にかかる贈与税の非課税措置など、昨年度までのお得な制度は、どう変わるのか気になるところ。まだ確定ではありませんが、改正となる動きをチェックしてみましょう。(「『平成24年度税制改正大綱』閣議決定の概要」を参照)
住宅取得資金の贈与について
昨年末で期限切れになっていた「住宅取得資金に係る相続時精算課税制度」と「直系尊属からの住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置」の両制度が3年(平成26年末まで)の延長となりそうです。
「住宅取得資金に係る相続時精算課税制度」(表①参照)は、昨年までと変わりませんが、「直系尊属からの住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置」は、省エネルギー・耐震性住宅には特別枠を設け、限度額が拡充されています(表②参照)。
≪表①≫
◎住宅取得資金に係わる相続時精算課税制度の特例措置が3年(平成26年末まで)延長
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非課税枠 |
贈与者 |
受贈者 |
相続時精算課税制度の特例 |
2,500万円 |
親(年齢制限なし) |
子(20歳以上) |
※贈与税はかかりませんが、相続発生時には、相続財産として評価することになります。
≪表②≫
◎直系尊属からの住宅取得資金に係わる贈与税の非課税措置が3年(平成26年末まで)延長
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平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
東日本大震災被災者 の場合 |
特別枠 (省エネ・耐震住宅) |
1,500万円 |
1,200万円 |
1,000万円 |
1,500万円 |
一般枠 |
1,000万円 |
700万円 |
500万円 |
1,000万円 |
その節税効果を検証してみましょう。例えば、父母のうち、どちらか一方から3,500万円の贈与を受けて、一般住宅を新築する場合、両制度を利用すると、贈与税額はゼロに(相続時精算課税制度2,500万円+贈与税の非課税措置1,000万円)。ところが、この両制度を利用しなかった場合は、1,470万円「(3,500万円-110万円)×50%-225万円」も贈与税がかかってきます。これは、大きな差ですね。納める税金で、もう一軒、住宅購入ができそうですよ
住宅取得に伴う税金について
住宅取得資金は、土地・建物だけではありません。取得および所有にかかる税金も必要です。今年の3月末に期限切れとなる税金に関する軽減措置も延長となりそうです。
まずは、不動産取得税。税率が4%に戻る予定でしたが、3%の据置となり、また、宅地の課税標準額が2分の1に軽減されるのも据置の方向です(表③参照)。
≪表③≫
◎不動産取得税の標準課税率及び課税標準の特例が3年(平成27年末まで)延長
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住宅(住宅用建物) |
宅地(住宅用土地) |
本則 |
(固定資産税評価額 - 1,200万円)×4% |
固定資産税評価額×4% |
特例 |
(固定資産税評価額 - 1,200万円)×3% |
固定資産税評価額×1/2×3% |
※税額控除は、「ワンポイントアドバイスVOL.2」を参考にしてください。
例えば、50坪の土地(固定資産税評価額:2,500万円)に30坪の住宅(固定資産税評価額:1,200万円)を新築する場合、制度が延長されると、なんと不動産取得税がゼロに。住宅用土地には、「45,000円」か「固定資産税評価額×1/2×3%」のいずれか大きい金額が税額控除の対象となりますので、税額控除を適用させると、ゼロとなるわけです。延長されなかった場合は、60万円程度の不動産取得税がかかりますので、軽減効果バッチリですね。これらの措置は、3年(平成27年3月末まで)延長予定です。
次に、固定資産税。新築住宅の場合、当初3年間は税額を2分の1にするという軽減措置も2年(平成26年3月末まで)延長となる予定です。3年間ずっと減額というのは、家計の負担軽減になること間違いなし!
認定長期優良住宅について
認定長期優良住宅を新築等で取得した場合、上限100万円までの税額控除が昨年末までの措置でしたが、この適用期限も2年(平成25年末まで)延長される予定です。
ただし、上限額が100万円から50万円まで引き下げられ、縮減となります。住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは併用できませんので、ローンを組まない方は、どちらがお得になるか、事前にチェックしましょう。
いかがでしょう。改正案は、新しい制度が創設されるというより、昨年までの制度が延長されるパターンが多くみられ、特に、認定長期優良住宅にみられるような省エネルギーや耐震性住宅を重視したものとなっています。それぞれの措置を利用するには、適用要件や申告が必要なものもあります。
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(2012.02.27更新)