法律・規制・土地取引

【建築基準法】
国民の生命・健康・財産を守るため、建築物の敷地、構造、設備および用途に関して最低の基準を定めた法律。1950年に制定されて以降、大規模震災や火災の発生、エネルギー問題など、時代のニーズに合わせて折々に改正、基準を強化させています。
【都市計画法】
都市の健全で計画的な整備を図るために定められた法律。建築基準法と密接な関係があり、建物の設計にも大きく影響します。建ぺい率や容積率は都市計画で決まるので、要チェックです。
【市街化区域・市街化調整区域】
都市計画法に基づき、すでに市街地を形成している、およびおおむね10年以内に市街化を図るべき区域が市街化区域。市街化を抑制すべき区域が市街化調整区域。それぞれの区域によって建築物の規制が異なります。
【用途地域】
市街化区域の土地利用計画として、建築基準法によって建築できる建物の種類、用途、容積率、建ぺい率、日影などが制限される地域。全12種類に用途分類されています。

【建ぺい率】
敷地面積に対する建物の建築面積(一般的には1階の床面積)の比率。「建ぺい率=建築面積÷敷地面積」となります。建築基準法や都市計画法によって、敷地条件や地域ごとに建ぺい率が定められています。

【容積率】
敷地面積に対する建物の延べ床面積(床面積の合計)の比率。「容積率=延床面積÷敷地面積」となります。建ぺい率同様、建築基準法や都市計画法によって、上限など細かく決められています。

【高さ制限】
周辺の住環境保全のため、建築基準法および都市計画法に基づき、その土地に建てることのできる建物の上限を定めたもの。「第1種低層住居専用地域」では10m以下、「第2種低層住居専用地域」では12m以下に制限されます。
【斜線制限】
道路や隣接地の日当たりや風の通りを妨げないよう、建物の支障となる部分の高さを規制したもの。道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3つがあり、建築基準法で定められています。
【接道義務】
建築基準法に基づいて、建物の敷地は道路と接していることが義務づけられています。原則は幅4m以上(特定区域では6m以上の場合も)の道路に2m以上接していることとされます。
【セットバック】
本来の敷地境界線、道路境界線などから必要分後退して建物を建てること。幅4m(特定区域では6m)未満の狭い道路に接している敷地や斜線制限によって建物の一部を後退させなければなりません。

【位置指定道路】
建物を建てる際に必要な接道がない場合、個人や法人で所有している土地を道路のように整備し、建築基準法上の道路として認可を取った道のことを言います。

【旗竿敷地 (はたざおしきち)
 (路地状敷地) (ろじじょうしきち)
道路(公道)に狭い通路状(路地)でつながっている袋地。建築基準法では住宅の敷地は2m以上道路に接するよう定められているので(接道義務:前出)、通路部分が最低限その幅であれば、家を建てることができます。

【景観地区】
景観法の規定に基づいて、市町村が市街地の良好な景観を形成・維持するために都市計画法上定めた区域のこと。建築物のデザインやカラー、高さ、敷地面積、壁面の位置などが制限を受けます。
【風致地区】
都市計画法において、用途地域に付加される「環境・景観保全ゾーニング」指定の一つ。自然美を維持するために建築物の建設、造成、樹木の伐採などに一定の制限がかけられます。
【防火地域】
市街地の特に住宅が密集している一帯の防火・防災のために、燃えやすい木造建築物の新築を規制(または禁止)し、耐火性能の高い建物を優先的に建てるよう定めた地域。3階建て以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物に限られます。
【準防火地域】
防火地域に準じた建築規制が定められた地域。地階を除く4階建て以上または延べ面積が1,500㎡を超える建物は耐火建築物、500~1,500㎡は耐火建築物または準建築物、その以下の大きさでも防火上必要な基準が設けられています。
【公示地価】
国土庁の土地鑑定委員会が毎年1月1日現在で公表する1㎡あたりの土地の価格(地価)のこと。一般の土地取引価格の判断材料となり、相続税や固定資産税の算定基準にもなります。
【路線価】
国税庁が公共価格などを参考に、毎年1月1日時点の市街地の宅地1㎡あたりの評価額のこと。相続税、贈与税、地価税の評価基準となります。
【地型 (じがた)
土地、敷地の形。不動産物件資料などでは「地型図」に、隣接道路の形状や道幅寸法も含めた地形寸法、土地面積や坪数、建ぺい率、容積率などが情報として明記されます。

【更地 (さらち)
建物や構築物、工作物が建っていない物理的に「まっさら」な状態であるとともに、不動産制度上も借地権や地役権などの権利(抵当権以外)がついていない、購入したらすぐに自由に住宅を建てられる土地のことです。
【建築条件付き土地】
住宅用の土地の中には売買契約の際に、一定の期間内に特定の業者と建築請負契約書を結ぶことを条件としている場合があります。これを「建築条件付き」と総称します。
【定期借地権付き土地】
借地借家法に定められた一定期間の借地契約を設定し、期間の満了時には借地権を更新しない土地。借地期間を50年以上としたものが一般的です。契約期間が過ぎると、借り主は原則、建物を壊して土地を返却しなければなりません。
【住宅完成保証制度】
住宅瑕疵担保責任の関連として、住宅建築中に建設会社が倒産するなど万一工事が中断した場合、前払金補償や工事引き継ぎによる負担増を一定額補償する制度。施工業者が保険加入しておく必要があります。
【品確法】
正式名称は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」。住宅性能に関する表示基準を設け、住宅の品質向上と、欠陥住宅などのトラブルから住宅購入者を守るためにつくられた法律です。
【住宅性能表示制度】
2000年施行の「品確法」で創設された制度。新築住宅の基本的な性能を第三者が一定の基準で客観的に評価し、「評価書」を交付します。制度の利用は任意ですが、公表している事業者なら信頼ができるということでしょう。
【(認定)長期優良住宅】
住宅性能表示の基準に基づき、耐震性、耐久性、省エネ性、可変性や高齢者への配慮など、住宅の長寿命化と流通性を促進できる一定の性能を満たすことで、減税や有利なローンなど、様々な優遇が受けられます。所管行政庁から認定を受ける必要があります。
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