テレビ・ラジオで活躍中のFPいちのせかつみと
FP資格を持つアナウンサー魚住由紀による住まいに関する楽しいお話。

VOL.3

楽しく賢く「おひっこし」しましょ
―物入りなときだけに安くあげたいのが本音です―

新入学・新学期、就職や転勤に合わせて、春は引越しシーズンです。新生活のスタートを気持ちよく滑りだせるかどうかは、引越しの「ダンドリ」にかかっています。今回は、引越し経験十五回の魚住由紀アナの実例を、FPいちのせかつみさんがインタビュー。引越しを少しでも安く済ませるための裏ワザが飛び出します。

業者はどう選び、料金はどう抑える?

いちのせ 2月から4月は一年で最も引越しが多く、不動産の物件数が多いときやね。いつもの2倍は出回るという。こどもの学校の都合を考え、家族にとって都合がよいのもこの季節だから大変だ。新居が決まればいよいよ引越し。この季節、街の中には引越し専用のトラックがひっきりなしに往来する。上手に安く引越しすることはできるかな。

魚住 引越しラッシュということは、引越し料金も一番高いとき。引越し業者はなかなか値引きに応じてくれません。なるべくなら避けたいのに、建物が完成する3月末に合わせた移住になってしまったのが、私の二年前の引越し。それまで住んでいた家の4月分の賃貸料が惜しくて、新居の鍵渡しと同時に入居しました。予想の通り引越し料金は高く、オフシーズンに引越ししたときの1.5倍の料金になってしまいました。同じ引越し業者にお願いして、ほぼ同じ量の荷物。せめてもと「平日」の「午後便」利用で、料金が安くなるように設定したのですが…。以前も安くあがる設定に抑えていたので、季節料金としては仕方ないのかもしれませんね。
いちのせ 「午後便」は日にちのみ指定する方法。午前中にほかの引越しを済ませたチームが作業にあたることも。料金は抑えられるけど、何時に引越しが始まるか当日になってもわからないデメリットもあり。引越しの日を業者の都合に合わせた場合も安くなるね。ドライバーとトラックだけお願いする「チャーター便」も覚えておこう。ちなみに引越し料金は「土・日・祝日」「大安」が割高になるんやね。
魚住さん、業者選びはどうしてますか?

魚住 大抵3社に見積もりしてもらって決めています。料金だけではなく内容もちゃんと確認。トラックの大きさと台数、作業する人の数、荷物の梱包、建物を傷つけない配慮や退去後の掃除の有無…と違いがあるので、トータルで見比べてください。「ほかの業者にも見積もり出してもらいます」と始めから断っておけば失礼にはなりません。「今決めてくれれば1万円割引きます」と迫ったり、見積もりプレゼントをくれるなど、営業マンも即決に導こうと粘ります。でもここはひとつ冷静に。その場での結論は避け、見積もりを比べてから電話で連絡しましょう。

不用品は処分し荷物を減らそう

いちのせ 引越し荷物を作るときに気が付くのは、使わずにしまいこんでいた不用品の数々。この際キッパリと処分しないとあかんね。引越し料金にもかかわってくるしなあ。最近はリサイクルのお店で、洋服から食器、贈答品、家具まで何でも扱っているから利用するのも手やね。
魚住 譲って欲しいと言ってくれる友人が現れれば、有効利用になって一番良いのですが、なかなかタイミングが合わないものですね。まず、処分するものをリストアップ。そして処分先を決めます。

いちのせ いまどき、モノを捨てるにはお金もかかるから、どう処分するかも考えよう。引越しの少し前からダンドリよく取り組みたいもの。さて、どこから手をつけたらいいやろか。

魚住
 「マニアにとって価値がありそうなもの」はインターネットオークションへ。出品物の写真とコメントのつけ方で人気が変わります。状態は正直に書いてトラブルを避けてください。古い一眼レフカメラに、思わぬ値がつき驚きましたよ。
希少価値のある「本」は古本屋へ。新しい本は新しいうちに、本リサイクル店へもって行きましょう。CDやDVDも同様です。でも手間がかかる割には評価額が低いので、バザーなどに提供・寄付させてもらった方が納得できるかもしれません。
そして「家電」。私の場合、ちょうど単身用のものがひと揃いあったので、ネット掲示板の「譲ります・譲ってください」に載せました。すると、近くに住むご夫婦が大学へ入学する息子のためにと、喜んで軽トラックで取りに来て下さいました。家電の廃棄にはお金がかかる上、まだ動くものを捨てるのは心苦しいので、貰い手が見つかると嬉しいですね。ただし、ネット投稿には注意が必要です。イタズラメールも横行するので、メールアドレスは一時使用のものを使った方がよいでしょう。

いちのせ 努力の甲斐あって、少しおこづかいになったというから、さすがベテランやね〜(笑)。魚住さんにかかると、めんどうな引越しも結構楽しそう。

引越し前後には手続きや連絡がいろいろ

いちのせ 事務手続きも抑えておかんとね。まず、郵便物の転送手続き。はがき一枚で出来るので引越し前に出しておきましょう。無料で一年間転送サービスしてくれます。宅配メールは別の手続きになるので注意してや。
引越したら、友人知人へお知らせも速やかに。準備は事前にしておきましょう。郵便局や銀行など金融機関、クレジットカード会社、保険会社など取り引きのあるところへの住所変更届けも必要です。

魚住 電気・ガス・水道、電話。パソコンを使う人はプロバイダーへの連絡も事前にしておいて下さい。いつ止めて、新居ではいつから使いたいのかを相談しておきましょう。引越し先でガスの開栓が間に合わないと、お風呂に入れない事態も起こります。ホコリにまみれたままで眠るのは、あまりに悲しい(笑)。
エアコンも引越し当日から使いたいですね。電気屋さんか、引越し業者のオプションで、早めに手配をしておけば安心です。
いちのせ 市役所、区役所での転出・転入届けは全ての基本やね。住民票を元に運転免許証の書き換えなどを行うことになるし、届けないと選挙権も失うことに。健康保険や年金手帳、介護保険など社会保険の住所変更手続きも滞りないようにや〜。

魚住
 いざ、引越しです。バンダナを頭に巻いてマスクして、当日は指示係に徹します。「お茶代にでも」と、引越し開始時に気持ちを包んで渡せば作業チームの士気も高まりますよ。きびきびとした作業員の姿も眩しく…、新しい生活も目の前。あ〜ワクワク!
「おひっこし」は、いと楽し♪
(2008.02.29up)

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