
住宅購入を検討している方にとって、住宅ローン控除の変更は重要な検討事項となっています。マイホームの取得には、建築・購入費用、諸費用も含めて高額な費用がかかります。住宅ローン控除の効果的な活用が、家計にとってのポイントです。
本記事では2025年に住宅購入を検討されている方や、将来の住宅購入に向けて情報収集をされている方に向けて、2025年における住宅ローン控除の最新情報を詳しく解説します。控除の基本的な仕組みや適用条件、注意点も紹介するのでぜひご覧ください。
住宅ローン控除とは

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、マイホームの新築・購入や、増改築・リフォームのために住宅ローンを組んだ方を支援する税制優遇制度です。
住宅ローン減税とも呼ばれるこの制度では、定められた要件を満たしたときに、年末時点の住宅ローン残高に0.7%をかけた金額が、所得税や住民税から控除されます。
以下では、住宅ローン控除を活用するために必要な適用条件や期間、控除額の上限などを解説します。
適用条件
住宅ローン控除の主な適用条件は、新築・中古住宅共通で以下の要件があります。
- ●取得から6ヶ月以内に居住を開始し、控除申請する年の大晦日まで継続して居住していること
- ●控除申請する年の年間総所得が2,000万円以内であること
- ●床面積が50㎡以上で、1/2以上が居住用であること
- ●住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- ●入居した年を含む5年間で、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税特例などを受けていないこと
- ●一定の省エネ基準を上回る住宅であること
中古住宅の場合は、上記に以下の要件が加わります。
- ●新耐震基準に適合していること(昭和57年1月1日以降に建築された住宅、または耐震診断による基準適合証明があること)
リフォーム・増築においては大規模な修繕、一定のバリアフリー工事など、住宅ローン控除の対象となる工事が決まっているほか、1つの工事費用が100万円を超える必要があります。住宅の種類によっても要件が変わるため、細かく確認しておきましょう。
適用期間
住宅ローン控除の適用期間は、住宅の種類によって異なります。新築住宅を取得した場合は原則13年間、中古住宅の購入やリフォーム・増築の場合は10年間にわたって控除を受けられます。
控除額は年末時点のローン残高の0.7%で計算されるため、返済が進むにつれて控除額は確実に減少する仕組みです。つまり、適用期間が13年間・10年間と定められていても、実際の控除額は年々少なくなります。
最大控除額・借入限度額
2025年に入居する場合、新築住宅の借入限度額と最大控除額は以下のとおりです。
住宅のタイプ | 借入限度額 | 最大控除額 |
---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(子育て世帯等:5,000万円) | 409万5,000円(455万円) |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(子育て世帯等:4,500万円) | 318万5,000円(409万5,000円) |
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円(子育て世帯等:4,000万円) | 273万円(364万円) |
その他の住宅 | 0円(2023年までに新築の建築確認を受けている:2,000万円) | 0円(140万円) |
中古住宅の場合、借入限度額と最大控除額は以下のとおりです。
住宅のタイプ | 借入限度額 | 最大控除額 |
---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅/ZEH水準省エネ住宅/省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 210万円 |
その他の住宅 | 2,000万円 | 140万円 |
2025年住宅ローン控除等の変更ポイント

2025年度の税制改正では、住宅ローン控除制度において、子育て世帯や若者夫婦世帯への優遇措置が継続されると決定しました。一方で、贈与税における非課税措置を受けるための適用条件の引き上げや、既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置の範囲拡大など、制度全体の見直しも行われています。
2025年における住宅ローン控除等の主な変更ポイントについて、詳細を解説します。
住宅ローン減税
2025年度の住宅ローン控除では、借入限度額が現行の水準で維持されると決定しました。
特に、子育て世帯や若者夫婦世帯に対する優遇措置については以下の内容が継続され、住宅の省エネ性能に応じた借入限度額の上乗せが引き続き適用されます。
- ●長期優良住宅・低炭素住宅の借入限度額:5,000万円
- ●ZEH水準省エネ住宅の借入限度額:4,500万円
- ●省エネ基準適合住宅の借入限度額:4,000万円
また、新築住宅の床面積要件に関する緩和措置も延長されました。通常は50㎡以上が求められる床面積要件ですが、2025年12月31日までに建築確認を受けた新築住宅については、40㎡以上でも控除の対象に含まれます。ただし、合計所得金額の要件が1,000万円以下に限られる点には注意が必要です。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
住宅取得時の贈与税における非課税措置について、2025年度も制度が延長されると決定しました。
親や祖父母からの住宅購入資金の贈与を受けた場合、住宅の性能に応じて最大で1,000万円まで非課税となります。具体的には「質の高い住宅」で1,000万円、「一般住宅」で500万円が非課税枠として設定されています。
ただし、より高い省エネ性能が求められるようになり、「質の高い住宅」の基準が引き上げられた点には注意が必要です。
改正後は断熱等性能等級は4以上から5以上へ、一次エネルギー消費量等級は4以上から6以上へと、それぞれ要件が厳格化されています(2023年末までに建築確認を受けた住宅、または2024年6月30日までに建築された住宅を除く)。
既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置
既存住宅のリフォームに対する特例措置は、2025年度も継続されると決定しました。対象となる工事は以下のとおりです。
- ●耐震
- ●バリアフリー
- ●省エネ
- ●三世代同居
- ●長期優良住宅化
また、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、「子育てに対応した住宅へのリフォーム」に対する控除の適用範囲が拡大されます。対象となる工事は以下のとおりです。
- ●子どもの事故防止を目的とした工事
- ●対面式キッチンへの交換
- ●開口部の防犯性を高める工事
- ●収納設備の増設工事
- ●防音性を高める工事
- ●一定の間取り変更工事
子育てに対応した住宅へのリフォーム工事の対象工事限度額は、250万円です。また、最大控除額は25万円です。
2025年住宅ローン控除を受けるときの注意点

住宅ローン控除は住宅購入時の税負担を軽減できる制度ですが、いくつかの重要な注意点があります。特に、控除を受けるための手続きや、実際の控除額の計算方法、2026年以降の制度変更の可能性については十分に理解しておかなくてはいけません。
以下では、住宅ローン控除を適切に活用するために、押さえておくべきポイントを解説します。
控除を受けるには確定申告・年末調整が必要
住宅ローン控除を受けるには、入居初年度の確定申告が必要です。初年度の確定申告は経験のない方も多いため、早めの準備が推奨されます。
2年目以降は「住宅借入金等特別控除申告書」を提出すると、勤務先での年末調整で手続き可能です。一方、確定申告が必要な個人事業主の方は、2年目以降も確定申告の際に住宅ローン控除に関する書類の提出を忘れないようにしましょう。
必ずしも上限額が還付されるとは限らない
借入額や返済計画によっては、必ずしも上限額が還付されるとは限りません。例えば、ZEH水準省エネ住宅で限度額の4,500万円を借り入れた場合、当初は31万5,000円の控除を受けられます。しかし、返済が進むにつれて、残高が4,000万円のときは28万円、2,000万円のときは14万円と、控除額は徐々に減少していく仕組みです。借入金額が少ない場合も、控除額は限度額を下回ります。住宅ローン控除の仕組みについて、しっかり理解しておく必要があるでしょう。
2026年以降は控除を受けられない可能性がある
現行の住宅ローン控除制度は、2025年までの期限付きとなっています。2026年以降も制度が継続される可能性はありますが、仮に延長された場合でも控除額や適用条件が維持されるとは限りません。
現行制度の恩恵を確実に受けるには、2025年中の住宅取得を検討することが推奨されます。
要件を満たして2025年中の住宅購入がおすすめ

2025年度は住宅ローン控除の優遇措置が継続され、特に子育て世帯や若者夫婦世帯への手厚い支援が維持されます。ただし、2026年度以降は制度が変更される可能性もあるため、マイホームの取得をお考えの方は、早めの検討が推奨されるでしょう。
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