洋間やフローリングの人気に押されて、いまや減少の一途をたどるばかりの和室。しかし、その和室に欠かせない畳には、さまざまな働きが認められています。
たとえば、室内の空気を浄化するとともに、“い草”の香りによって心身を癒すリラックス効果。夏は暑い外気の侵入を防ぎ、冬は暖かい室内の空気を逃さない保温・断熱効果。さらに、湿度の高くなる梅雨時には水分を吸収し、空気が乾燥する時期になると、水分を放出する調湿機能などなど。そのメリットは数え上げればきりがありません。
また、畳は弾力性に優れているため、長時間座っていても疲れにくく、子どもやお年寄りが転んでも安心。赤ちゃんがお昼寝したり、おむつの交換をしたりといった面でも便利。板の間じゃ、こうはいきませんよね。デザインにこだわったおしゃれな住まいでも、しばしばリビングの隣に和室が設けられているのも、そんな理由からかも知れませんね。
一般的な日本の民家でよく見られる間取りに「田の字型」と呼ばれるものがあります。ふすまで仕切られた畳敷きの部屋が隣接し、上から見ると漢字の「田」の字の形になっていることから名づけられました。
この間取りの優れたところは、冠婚葬祭などで多くの人が一堂に集まる際、ふすまを取り外すだけで大広間に早変わりするという使い勝手の良さにあります。これって、少ない部屋数を効率的に利用するための知恵ともいえるのではないでしょうか?
ホームパーティなど大勢の人が集まる機会が多いご家庭にとって、まだまだ使い勝手のいい間取りといってもいいのかも知れませんね。