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理想の住みやすい空間を叶えよう。参考にしたい2階リビングの間取り実例とメリット

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都市部や住宅が密集している地域では、快適に暮らす工夫として2階にリビングを採用する間取りの人気が高まっています。1階と2階のリビングでは、どのような違いがあるのでしょう。そこで当記事では、2階リビングのメリットや注意点、おしゃれな実例をご紹介します。

2階リビングの4つのメリットとは

ここでは人気の高い2階リビングの間取りを採用するメリットを4つ紹介します。注文住宅などでLDKの間取りを検討する際はぜひ参考にしてください。

空間が明るくなる

住宅が密集している土地では、四方を建物に囲まれて隣の家がすぐ近くに建っています。このような土地の敷地条件であると、1階リビングの間取りでは十分な光を確保することが難しくなってしまいます。そこで、リビングを2階に設けると光が入りやすくなり、明るい空間作りが可能です。

また、2階にリビングを配置することで、天井を高くし天窓や高窓を設けるといった光を取り込む工夫もしやすくなります。厳しい土地の敷地条件ほど、天窓や高窓の効果を実感できます。これが、2階リビングが人気を高めている大きな理由です。

開放的な空間づくりができる

2階リビングの間取りは1階リビングと比較すると床の高さが上がり、視界を遮るものが少なくなるため外の景色が眺めやすいのも特徴のひとつです。また、2階は外からの視線も気になりにくいため、窓を大きくとれて開放的な空間づくりができます。

特に、家の近くの敷地が広々とした公園や植栽の多い庭など景観がよい場合は、2階のリビングから眺望を楽しめてゆったりと過ごせます。

また、2階リビングの間取りの場合は屋根の形状を活かして天井を高くし、開放的な住まいをつくれるメリットもあります。隣家が近い敷地や狭小地の場合でも、2階にリビングのある間取りであれば圧迫感が少なく快適です。

プライバシーを確保できる

敷地の前面に道路があるときや近くに隣家がある場合、1階リビングの間取りにすると外からの視線が気になって、リビングでゆっくりとくつろげない場合も考えられます。

そこで、リビングを2階にして道路側にバルコニーを設けるとプライバシーを確保でき、視線をあまり気にせず過ごせるようになります。そのため、注文住宅の場合はあらかじめ周囲からの視線に配慮して2階リビングを計画すると、くつろげる理想の住まいづくりができるでしょう。

耐震性を向上させる

2階リビングの間取りは家の耐震性を上げるのに効果的です。2階に広い面積が必要なリビングやLDKなどを配置して、1階に壁の量が多くなる個室を配置する間取りにすると、家の性能が上がって構造的に安定しやすくなります。そのため、地震の揺れに耐えられる建物になるのです。

一方で、面積の広いスペースを1階に設けると、壁の量が少なくなって構造的に不安定になってしまいます。不安定にならないためにも、2階にリビングをつくる場合は1階に耐力壁を多くし、強度を上げるように計画することが大切なポイントです。

しかし、1階リビングの間取りでも洗面脱衣室やトイレなど、細かい部屋を1階に多く配置すると耐震性を確保できます。そのため、家の性能が低下するという心配はないでしょう。

2階リビングの間取りの注意点と対策法

人気の2階リビングの間取りはメリットが多いですが、いくつか注意点もあります。ここからは、注意点と対策法を紹介するので、2階リビングの間取りを採用する際はぜひ参考にしてください。

夏場は暑くなりやすい

太陽の光が差し込みやすい2階リビングの間取りは、明るい空間づくりができるため人気です。しかし、夏場になると暑さも取り込んでしまう点がデメリットです。2階建ての建物でリビングが2階にある場合、屋根に当たる直射日光の熱が伝わってきて部屋の温度が上がってしまいます。

そこで、2階リビングの間取りでは暑さ対策のための設備や断熱材を導入しましょう。天井を高くして高窓やシーリングファンを設置すると、空気を循環できるようになって冷暖房の効き目も高められます。

また、屋根の断熱性能の向上、断熱性能の高い窓やサッシの採用、日除け効果のあるオーニングやシェードなどを設置することで、2階リビングの暑さを軽減できます。

階段の上り下りが面倒

一般的に、2階リビングの間取りではキッチンやダイニングも2階に配置するLDKを採用するケースがほとんどです。しかし、この間取りにすると来客時や買い物、ゴミ出しなどで上下階を行ったり来たりすることが多くなり、生活しにくいと感じてしまうこともあるかもしれません。

また、「老後は階段を使うのがつらい」「怪我をして階段を使えない」というように、体の変化が原因で2階リビングの間取りでは生活に支障が出てくる可能性もあります。

このような2階リビングの間取りで生じる問題は、階段の蹴上げを低くして緩やかに上り下りできるようにしたり、踊り場の面積を広めに設けたりと階段自体を工夫することで、ある程度解消できます。

また、玄関近くに階段を設ける間取りにすると、2階リビングでも来客時に応対しやすくなります。買い物やゴミ出しなど、家事動線の短縮にもつながるのでおすすめです。

子どもの外出や帰宅を把握しづらくなる

2階にリビングを設けて1階に子ども部屋をつくる間取りの場合、子どもの帰宅時や外出時に親が気づきにくいのがデメリットです。子どもが帰宅してすぐに1階の自室に入って2階に上がってくる回数が減ると、親子のコミュニケーションを取る機会も減ってしまいます。

そのため、リビングを経由して子ども部屋へ行けるような間取りがベストですが、面積の問題などで理想的な間取りにできない場合もあります。

条件的に思うような間取りがつくれない場合、子どもが小さなうちは2階リビングの一部を仕切って、その部分を子ども部屋として使う間取りがおすすめです。子どもが成長してプライベートな空間が必要になったときに、1階の個室を子ども部屋へ変更するとよいでしょう。

2階のリビングを仕切って子ども部屋をつくれない場合には、トイレやお風呂などを2階のリビングを通る場所に設置する間取りにすると、子どもと顔を合わせる頻度を上げられます。子どもの成長に合わせて、臨機応変に対応できる間取りを考えることが大切です。

大型の家具や家電を搬入しづらい

人気の2階リビングの間取りでは、大型の家具や家電を階段で運ばなければなりません。万が一、通路の幅が足りず玄関から搬入できない場合は、クレーンで家具を吊って2階の窓から運び入れる必要があります。そうなると、余計な費用がかかってしまうかもしれません。

そのため、大型の物を2階に搬入する際は事前に階段・廊下の幅を測っておき、通れるか確認しておきましょう。注文住宅の場合、設計段階で余裕を持った間取りを計画することが大切です。

敷地などの条件的に階段幅を広くとれない間取りの場合は、直線階段にすると大型家具や家電の搬入がしやすくなります。

快適な2階リビングをつくる5つの間取りポイント

ここからは、2階リビングで理想の住まいを実現するための間取りのポイントを5つ紹介します。

バルコニーをつくる

2階リビングの間取りにすると、1階にある庭まで洗濯物を干しに出るのが面倒になってしまうかもしれません。特に、水回りを2階にまとめると、洗濯してから1階まで干しに行くのは家事負担が大きくなってしまいます。

そこで、2階にバルコニーを設け、リビング・ダイニング・キッチン・ランドリールーム・バルコニーを短い動線で動けるように計画し、家事がワンフロアで完結できるようにしましょう。水回りを集約して生活の中心を2階におくと、効率的に家事を行えて時短にもなります。

さらに、バルコニーを設ける際はできるだけ面積を広めにとると、子どもの遊び場やバーベキュー、ガーデニングスペースとしても幅広く使えて便利です。

水回りを2階にまとめる

キッチン・浴室・洗濯機などの水回りを2階にまとめる間取りは、料理をしながらリビングにいる子どもの様子を見たり片付けの合間に洗濯機を回したりと、ながら家事がしやすいのが特徴です。

しかし、2階の水回りの下を寝室にする間取りにすると、排水音が聞こえて睡眠の妨げになる可能性があるので注意しましょう。

1階の防犯性を強化する

2階にリビングがある間取りにすると、家族が2階で過ごす時間が多くなって1階に誰もいない時間帯が増えます。それと同時に、1階の防犯意識も薄れてしまうことが考えられます。

そのため、2階にリビングを設ける場合は1階の窓にシャッター・面格子などの設置や、建物の周囲に防犯用の砂利を敷くなど対策をしっかりと行いましょう。

2階に子ども部屋をつくる

2階リビングの間取りでは、1階の様子がわかりにくくなります。そのため、子ども部屋の位置を1階にしてしまうと、子どもが何をしているのか把握できなくなってしまうのです。

そこで、子ども部屋は2階に配置し、できるだけリビングを通って部屋へ行く間取りにしましょう。子ども部屋が2階にあることで子どもとのコミュニケーションがとりやすくなり、子どもが自室にこもったり知らない間に外出したりすることを防げて安心です。

老後や介護など、将来に備えた間取りにする

将来、足腰が弱って階段の上り下りがつらくなり、自力で2階へ上がれなくなってしまう場合があります。このようなときに備えて、1階で生活が完結できるように水回りを1階にまとめておくのも選択肢の1つです。

しかし、完璧な住まいにしようと考え過ぎると、間取りの制約が多くなって生活しにくくなってしまうことも。注文住宅の場合はできるだけ間取りの自由度が高いように計画し、無理のない範囲で将来に備えて2階リビングを取り入れることが大切です。

2階リビングを間取りに採用した住宅実例

最後に、2階リビングで理想の住まいを叶えた素敵な実例を紹介します。土地の敷地条件によって実現できるリビングは異なりますが、2階にリビングを設置したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

【実例1】バルコニーに面した心地よいリビング

こちらは、ファミリーライブラリーやシアタールームを備えた3世帯向け住宅の実例です。2階部分は、バルコニーに面してリビングを配置。キッチン・ダイニング・リビングをコンパクトに並べた使い勝手のよい間取りです。

リビングの上部は勾配天井を採用して高さを出し、開放感とおしゃれな雰囲気づくりをしています。

【実例2】自然光がたっぷり注ぎ込む明るいリビング

こちらは、1階部分にLDKをつくり2階に開放的なセカンドリビングを設けた実例です。2階にはコの字型の広々としたバルコニーを設置しています。

大開口サッシを採用しているので、自然光をたっぷり取り入れながら屋外の景色を楽しめる間取りです。リビングの後ろに設けた吹き抜けも、開放感溢れる空間を演出しています。

【実例3】間取りを活かした大空間の2階リビング

こちらは、3階建ての2階部分に開放感のあるLDKを設けた実例です。空へ突き抜けるような大空間の吹き抜けを実現しており、大開口で明るい光が室内に注ぎ込み、いつまでもくつろいでいたいと思わせるリビングです。
子ども部屋は3階に設け、吹き抜けを通して子どもの気配が感じられるように間取りを計画しています。また、水回りは2階にまとめて家事導線にも配慮。3階建ての場合は、生活の中心を2階に置いた間取りにすると、生活動線が簡潔になって暮らしやすくなります。

2階リビングのある間取りで快適に暮らそう

2階リビングは日当たりや眺望がよく、開放感があって周囲からの視線も気になりません。そのため、1階リビングでは味わえない魅力があります。過ごしやすいリビングをつくると、自然に家族と過ごす時間も増えるでしょう。

今回紹介した2階リビングの間取りのポイントや注意点を参考にして、快適に暮らせる住まいを実現させてください。

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理想の住まいがきっと見つかります。