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ランドリールームで家事ラクを実現!間取りのポイント家事動線の基本

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「毎日の家事をラクにしたい!」そう願う多くの家庭にとって、効率的な「家事動線」の見直しは不可欠です。家事動線とは、家事を行う際の移動経路や作業の流れを指し、これがスムーズであるほど日々の負担は大きく軽減されます。

近年、特に時間と労力がかかる洗濯作業に特化した「ランドリールーム」への注目が高まっています。ランドリールームは、洗濯機、乾燥機、アイロン台などを一箇所に集約し、洗濯時間の短縮と快適な家事を両立させるための理想的なスペースです。

この記事では、限られたスペースでも実現できるランドリールームの具体的な作り方や、失敗しないための動線計画のポイントを詳しく解説します。あなたの家事負担を減らし、日々の生活を豊かにするランドリールーム作りのヒントがここにあります。

家事動線、洗濯動線とは?家事ラクを実現する動線計画のポイント

はじめに、家事動線や洗濯動線を最適化すると得られるメリットについて確認しましょう。

家事動線とは?家事効率を左右する暮らしの道筋

家事動線とは、家事工程の一つ一つを進めるときに、どこを通ってどのように動いているかを指します。家事動線が整っていると、さまざまな家事の一連の流れがスムーズになり、無駄な移動や手間を省けるので、日常の家事が格段に楽になるのです。

効率的な動線は、複数の家事を同時進行させやすくなり、家事ストレスも軽減されます。家事にかかる時間を少しでも短縮できれば、余った時間を家族と過ごす時間や自分自身の自由時間に充てられるため、日常生活の質も向上するはずです。

洗濯動線とは?洗濯のストレスをなくすためのカギ

洗濯動線とは、家事動線の中で洗濯作業に関わる動線のことです。
具体的には、以下の洗濯の各工程を行う際の移動経路のことを指します。この動きがスムーズかつ効率的であるほど、洗濯にかかる手間や時間を大幅に削減できます。

  • ・洗濯物を集める
  • ・必要な場合は予洗いや染み抜きをする
  • ・洗濯機に入れる
  • ・バルコニーなどの屋外の物干し場や、室内の物干し場に干す
  • ・乾燥後取り込む
  • ・必要な場合はアイロン掛けや引っかけ傷などを補修する
  • ・畳んで仕分ける
  • ・各部屋のクローゼットや棚に運んで収納する

洗濯動線が悪いと時間も手間も倍増!改善ポイントは?

家事動線を効率化するには、まず洗濯動線を見直してみましょう。

洗濯は家事の中でも特に時間がかかる作業です。全自動洗濯乾燥機の普及により、以前に比べ洗濯機任せにできる作業は大幅に増えました。しかし、一つずつ見直していくと全自動とはいっても、思っているよりも手間がかかっていることに気付くことでしょう。

例えば、衣類の中には乾燥機能を使えるものと使ってしまうと傷みや縮みがでやすいものがあり、それらは洗濯機に入れる前に仕分ける必要があります。また、当然ながら乾燥機を使わない場合は、洗いあがった衣類を干す工程が必須です。

洗濯動線を整理すると、洗濯機、物干し場所、アイロン掛けスペース、収納場所を近くに配置すること、乾いたものを畳む場所やアイロン掛けの場所を確保すること、それぞれの工程で使用するものがすぐ手の届く場所に収納されていることなどによって、使いやすさが向上します。

特に、水分を含んだ重い洗濯物の持ち運びは大変なので、洗濯物を干す経路を短縮できると体力的な負担を軽減できます。また、小さな工夫ですが、洗濯機と洗剤の保管場所、洗濯物を干す場所とハンガーや洗濯ばさみの収納場所、アイロンスペースとアイロン台の収納場所を近づけるだけでも時短に繋がります。

ランドリールームが家事動線改善の鍵!その必要性とメリット

これまで見てきたように、洗濯動線の改善は家事効率に大きな影響があります。この改善に大きく役立つのがランドリールームです。

ランドリールームのメリットとは?家事を劇的に変える魅力

洗濯に関わる作業には、大きく分けて「洗濯機で洗う」「干す」「畳む」「収納する」という複数の工程があります。しかし、これらの作業スペースが家の中でバラバラになっていると、1階と2階を行き来するなど無駄な移動が多くなりがちです。ランドリールームを設ければ、洗濯・乾燥・アイロン掛けなどを一ヶ所でまとめて行えるので、移動が大幅に削減されます。家の中でのランドリールームの配置を工夫すると、他の部屋との動線がスムーズになり、洗濯作業だけでなく、家事全体の効率もアップします。

①洗濯動線の効率が劇的にアップ!移動距離の削減と時短効果

ランドリールームの最大のメリットは、洗濯作業にかかる時間を劇的に短縮できる点です。ただし、最も効率化したい洗濯工程の優先順位を明確にすることが重要です。
例えば、「干す作業をスムーズにしたい」と考えるなら、室内干しスペースを洗濯機のすぐ近くに配置すると非常に便利です。その際、十分なスペースを確保し、物干しポールの高さを使いやすい位置に調整するなど、細部まで工夫することで、より快適に作業できるようになります。

②洗濯物干しスペースを確保できる!天候に左右されない快適さ

近年、花粉症やPM2.5、大気汚染への懸念から室内干しの需要が高まっています。また、幹線道路沿いの住宅では排気ガスによる汚れが、自然豊かな地域では虫の付着が気になるケースもあります。
ランドリールーム内にしっかりと室内干しスペースを確保できれば、これらの外部要因や天候、時間帯に左右されることなく、自分の都合の良いタイミングで洗濯物を干せるようになります。これにより、日々の家事ストレスを大幅に軽減できるでしょう。

③リビングに洗濯物の山を作らずすっきり過ごせる!生活空間の美化

取り込んだ洗濯物を一時的に仮置きしたり、畳んだりする場所をランドリールーム内に確保できることは、非常に大きなメリットです。多くの家庭では、取り込んだ洗濯物をリビングで畳んでから各部屋に片付けることが多いですが、ランドリールーム内でこれらの作業が完結できれば、他の生活スペースに洗濯物が一時的に散らかる心配がなくなります。これにより、リビングが常にすっきりとした状態を保て、急な来客時にも慌てて洗濯物を片付ける必要がなくなります。

④インテリアを損なわない!生活感を隠せるメリット

ランドリールームは、洗濯物や洗濯用品など、生活感が出やすいものを一箇所に集約できるため、リビングやダイニングといった家族や来客の目に触れる場所からそれらを隠すことができます。これにより、家全体のインテリアデザインを損なうことなく、洗練された住空間を維持することが可能になります。特に、洗面脱衣室とランドリールームを分ける間取りであれば、来客が洗面所を使用する際にも生活感を見せずに、気持ち良く利用してもらえるでしょう。

⑤防犯やプライバシー確保にも貢献!安心できる室内干し

室内干しスペースは、防犯面やプライバシー保護の観点からも大きなメリットをもたらします。外干しの場合、不在時に洗濯物が盗難に遭うリスクや、下着などが外部から見えてしまう心配があります。しかし、ランドリールームでの室内干しであれば、これらの心配がなくなり、安心して洗濯物を干すことができます。特に女性の一人暮らしや、プライバシーを重視する家庭にとって、この点は非常に大きな安心材料となるでしょう。

我が家にも作れる?ランドリールームの作り方

ランドリールームと聞くと、十分なスペースを持たせた一部屋を作るイメージがあります。しかし、限られたスペースでもランドリールームを作ることは十分可能です。コンパクトでも充実したランドリールームを実現するコツを解説します。

3畳でOK!ランドリールームは広さよりも機能性が大切

ランドリールームの主な目的は洗濯動線の最適化です。そのため、3畳程度のスペースでも、機能的なランドリールームは実現します。広いスペースに憧れを感じることもあるかと思いますが、ランドリールーム内での移動が増えてしまっては逆効果になりかねません。

洗濯機や乾燥機と一緒に、洗濯物の仮置きやアイロン掛けができる作業用カウンターを設置するだけで、家事動線が短くなり、効率的に洗濯をこなせます。また、洗剤や洗濯小物を収納できる棚を設置すれば洗濯用品の整理整頓も容易です。

洗濯・アイロン・収納を一ヶ所に!ランドリールームで一元管理!

せっかくランドリールームを作っても、必要なものが収まりきらずにモノがあふれてしまったり、出しっぱなしになってしまったりすると、使い勝手は半減します。そのためにも、ランドリールームで必要なものや収納したいものを厳選することが重要です。

洗濯動線を短縮させるためには、余計な移動をできる限り減らす必要があります。使うものを使う場所から手の届く範囲に収納するのが理想的です。例えば、作業用カウンターの近くにアイロン台やアイロンの収納スペースを設けたり、物干し場の近くにハンガーの収納場所を計画したりすることなどが考えられます。

さらに、コンパクトなランドリールームを最大限生かすためには、デッドスペースの有効活用を考えましょう。例えば、洗濯機の上部の空間に造り付けの棚を取り付ければ利便性がアップします。また、ランドリールームの壁面に収納棚やフックを取り付けて小物の収納に利用するのも一案です。

ランドリールームのスペース確保が難しい場合は?洗面室や脱衣所との併用も

家全体の間取りの兼ね合い上、コンパクトなスペースでも確保するのが難しい場合もあるでしょう。そんな時は洗濯動線を最適化させるための代替案を考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、洗濯機の近くに小さなカウンターを設置し、洗濯物の仮置き台兼アイロン掛けスペースに使える小さなカウンターを作るだけでも作業がスムーズになります。また、ホールの一角や廊下の片側など使っていないスペースを利用してランドリールームの機能を持たせる工夫も考えられます。具体的には、洗面所近くのホールや廊下の左右片側に目隠しできる壁を造作し、その中に収納や物干しスペースを作るだけでも洗濯動線は短縮でき、限られたスペースの中でも家事のしやすい環境を整えられます。

もう一つのアイデアは、洗面脱衣室を広めにとってランドリールームの機能を持たせる方法です。この2つの空間は、使い方によってはまとめた方が使い勝手が良いと感じられる場合もあります。
例えば、脱いだ衣服を入れる洗濯かごと洗濯機の距離を近づけられるので、洗濯物を移動させる動線を短縮できます。また、洗面化粧台で予洗いができるため、スロップシンク(※)を設置する必要もありません。
(※)スロップシンク・・・洗面化粧台とは別に設置するシンクです。主に汚れが激しいものの洗濯前の汚れ落としや、つけ置き洗いに利用され、バケツをすっぽり置けるような深型のものが主流です。

ただし、家族が洗面室や浴室を使う時間帯には、生活動線と交差して、混み合ってしまう場合や、来客使用時に洗面化粧室の生活感を隠せないのが難点です。

そのため、ロールカーテンで空間を仕切る、洗濯物の保管場所や物干し場に目隠しカーテンをつけるなどの対策を考えてみましょう。

最適な配置はどこ?ライフスタイルに合わせたランドリールームの家事ラク動線

ランドリールームを家のどこに設置するかは、家事効率に大きく影響します。ランドリールームは洗面所に隣接しているイメージが強いかもしれませんが、家族それぞれのライフスタイルによって最適な配置は異なります。最も家事動線が効率化できる配置を、柔軟な視点で考えてみましょう。

「洗濯機と物干しスペースは近くに!移動を最小限に抑える配置」

ランドリールームの配置を考える上で最も重要なのは、洗濯機と物干しスペースをできるだけ近くに設けることです。洗濯から乾燥までの移動距離が短ければ短いほど、家事の負担は軽減されます。特に、水分を含んだ洗濯物は重いため、その移動が最小限に抑えられる配置は、毎日の家事を格段にラクにしてくれます。

「水回りは集約が基本!キッチン・浴室との距離を意識する」

家事動線を効率化する上で、水回りを集約することは非常に有効です。ランドリールームをキッチンや浴室の近くに配置することで、例えば料理の合間に洗濯機を回したり、入浴後のタオルや衣類をすぐに洗濯かごに入れられたりするなど、複数の家事を並行しやすくなります。これにより、家事全体の時間短縮につながり、よりスムーズな日常が実現します。

「日当たりや風通しの良い場所に!洗濯物の乾きやすさを追求」

洗濯物の乾きやすさは、ランドリールームの配置を検討する上で重要な要素です。もし可能であれば、日当たりが良く、風通しの確保しやすい場所にランドリールームを設置することをおすすめします。自然の力を借りて洗濯物を効率的に乾燥させることで、除湿器や乾燥機の使用を抑え、省エネにもつながる可能性があります。ただし、外からの視線やプライバシーへの配慮も忘れずに行いましょう。

「回遊動線で家事効率アップ!スムーズな移動を叶える間取り」

ランドリールームを家事の中心に据え、キッチンやリビング、ファミリークローゼットなど、他の主要な空間と回遊できる動線でつなぐ間取りは、家事効率を劇的に向上させます。回遊動線は、行き止まりがなく複数の経路で移動できるため、無駄な動きを減らし、様々な家事を並行して行いやすくなります。小さな子どもがいる家庭であれば、子どもの居場所に視線が通る位置に配置することで、安心して家事ができるでしょう。

ライフステージ別!理想の機能を叶えるランドリールーム

ランドリールームの機能でどれを重視するかは、家族のライフスタイルに合わせてカスタマイズしましょう。

洗濯物の多い子育て世代に最適なランドリールーム

子育て世代は、とにかく洗濯物の量が多くなりがちです。また、つけ置き洗いや漂白が必要な場合も多く、数十分間~一晩程度つけ置きした状態の洗濯物も増えます。そのため、つけ置きしているバケツや洗面器を一時置きする場所を作ると便利です。

また、着替えの頻度が高い子どもの服は枚数が増えるほか、子育て世代ではシーツやラグなど大きな物の洗濯も増えるため、室内に物干しスペースを広めに確保できると効率がアップします。

スポーツウェアや作業着の洗濯効率をアップするランドリールーム

子どもがスポーツをしている場合や仕事で使う作業着を洗う場合、泥や油など落ちづらい汚れがついていることも多いものです。靴やユニホーム、作業着をスロップシンクで予洗いすれば、他の洗濯物への汚れ移りも気になりません。また、洗濯前には、土やほこりが落ちやすいので、掃除しやすい材質の床材を選ぶのもポイントです。

これらのグッズは毎日使うことも多いので、洗濯した翌日までにきちんと乾燥させたいものです。浴室乾燥機を利用したり、通気性の良いラックを設置するほか、湿度を逃がす排気口を設置すれば、乾燥速度をスピードアップさせられます。

高齢者に配慮したランドリールーム

身体が不自由な方や高齢者でも使いやすいランドリールームを作るには、作業スペースを使いやすい高さに合わせることが大きなポイントです。作業用カウンターの高さ調節ができるような造作や、椅子に座りながら作業できる広さを確保するなどの工夫が必要です。できるだけ楽な姿勢で、アイロン掛けや洗濯物を畳む作業ができれば、長時間の家事でも疲れづらくなります。

また、安心してランドリールームを使用するための安全性への配慮も必要です。水濡れしても滑りづらい床材を利用することや、手すりを設置することで転倒のリスクを下げられます。

ライフスタイルの変化によっては使わなくなる可能性もある?柔軟な設計の重要性

ランドリールームを検討する場合、将来のライフスタイルの変化に対応できるような設計を考えておくことも必要です。子どもの成長や、家族の年齢、体の変化などによってライフスタイルが変わると、ランドリールームが不要になる場合もあります。将来的にランドリールーム以外の用途に転用する可能性も考えておけば、無駄なスペースになってしまうことを防げます。

例えば、趣味の部屋や収納として活用することを想定して、将来のリフォーム方法を計画しておくのも一案です。それに合わせて、あらかじめ間仕切り壁の変更や棚の造作をしやすい造りにしておくのがおすすめです。そうすれば、必要とされるタイミングで容易にリフォームできます。

ランドリールーム×ファミリークローゼットで作る理想的な収納動線

ランドリールームとファミリークローゼットを隣接させると収納動線も効率アップできます。
この2つを組み合わせるメリットについて紹介します。

ファミリークローゼットとは?家族の衣類をまとめて収納

ファミリークローゼットとは、家族全員の洋服や小物などをまとめて片付けられるクローゼットのことです。全ての衣類を一ヶ所で管理できるので、他の部屋に衣服が散乱することを防げるほか、洗濯の終わった衣類の収納や衣替えの手間も削減できるので、日常の家事が一層楽になります。

ファミリークローゼットとランドリールームをつなげると便利!

ランドリールームとファミリークローゼットのスペースを隣接させると、洗濯物の移動を最小限に抑えられます。家族それぞれのクローゼットに洗濯済みの衣類を運んで収納することは、洗濯動線が長くなる大きな要因です。ファミリークローゼットがあれば、洗濯済みの衣類を一ヶ所に片付けられるので、洗濯動線を大幅に削減できます。

さらに、ハンガー収納をメインとしたクローゼットにするのもおすすめです。洗濯物が乾いたら、干していたハンガーのまま、ファミリークローゼットに移動させるだけですみます。洗濯物を畳む手間もかからず、家事時間を短縮できます。

回遊動線で移動を最小限に!家事ラクを極める間取り

ファミリークローゼットは家族全員の共用スペースとなるので、ホールに出入り口を設置するのが一般的です。この動線に加えてランドリールームと連結させれば、ホールとランドリールームの双方から出入りできる回遊動線ができます。これによって、洗濯物を片付ける動線をさらにコンパクトにまとめられます。

さらに、ランドリールームとキッチン、リビングなどメインとなるスペースを全て回遊動線でつなぐのもおすすめです。そうすれば、洗濯動線を含め、掃除動線や収納動線など家事動線全体がスムーズになり、家事効率が大きく向上できるでしょう。

ランドリールーム×ファミリークローゼットを2階に配置するメリット

2階にバルコニーやテラスがあり、そこで外干しをすることが多いご家庭の場合、ランドリールームとファミリークローゼットを2階に配置するのも非常に有効なアイデアです。天候に左右されず、晴れた日はテラスで外干し、雨の日は室内干しという柔軟な使い分けが可能になります。
また、これらのスペースを1階に設けると、どうしてもリビング・ダイニング・キッチン(LDK)の広さを圧迫してしまうことがあります。限られた敷地の中で間取りを工夫したい場合には、2階配置が有効な解決策となります。さらに、2階ホールからファミリークローゼットへ直接アクセスできるようにすれば、朝の着替えや外出準備の動線もスムーズにまとまるため、家族の利便性も大きく向上します。

ランドリールームは本当に必要?後悔しないための失敗談と対策

ランドリールームの導入を検討する際、本当に我が家にとって必要なのか、失敗はないのかといった疑問や不安を抱く方も少なくありません。ここでは、ランドリールームのよくある失敗談とその対策について紹介します。

ランドリールームを作ったもののうまく使いこなせない・・・作業用カウンターを設置しよう

ランドリールームを作るなら、多くの家事機能をまとめたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで、洗濯以外の用途でも多目的で使用できる作業用カウンターを設置するのがおすすめです。
上記でも紹介した通り、作業用カウンターは、洗濯物を畳んだり、アイロン掛けをする場所としての使い方がメインとなります。それに加えて、パソコン作業や家計簿をつけたり、書類を整理したりするデスクとしても併用させれば、使用頻度が上がり、活用の幅が広がります。

スペースが限られている場合は、跳ね上げ式のカウンターを採用して、使わない時は折り畳む使い方や、逆に、狭いスペースだからこそ、固定式カウンターにして、上下に収納スペースを設ける方法もあります。収納スペースが十分であれば、整理整頓が容易で見た目もすっきりさせられるので、コンパクトながらも使い勝手の高い空間を実現できます。

物干しスペースが狭い・・・洗濯物の室内干しスペースを確保する工夫を!

ランドリールームを作るなら、十分な室内干しスペースを確保したいものです。洗濯物の量が増える年末年始や季節の変わり目、乾燥に時間のかかる季節でも、物干しスペースに余裕があればストレスを軽減できます。必要な時にだけ干す量を増やせるように、壁面に折りたたみ式の物干しを設置したり、取り外し可能なポールを準備したりなどの工夫をすれば、普段はすっきり過ごせます。

湿気がこもって洗濯物が乾かない・・・換気計画をしっかり立てよう!換気扇や除湿機の活用

ランドリールームは洗濯物の湿気がこもりやすく、ほこりが舞いやすい空間のため、効果的な換気計画が重要です。

24時間換気システムや排気ファンの設置、除湿器を使用するなど、湿気を強制的に排出するためのアイデアを取り入れましょう。こういった対策は、カビの発生を防ぎ、洗濯物の乾燥時間も短縮します。

洗濯物を干すと薄暗くなって使いづらい・・・照明の配置や種類を工夫しよう!

ランドリールームの照明は明るい方が作業効率がアップします。しかし、干した洗濯物が照明を遮って影ができてしまうケースもあります。照明の位置を考える場合は、洗濯物を干した時も作業台周りに影ができないか、暗くならないかをイメージして考えましょう。光の色は蛍光色を選べば、洗濯物の汚れやシミを見逃しづらくなります。また、カウンターの手元を照らす照明を併用するのもおすすめです。裁縫などの細かい作業を行う場合は、LED照明にするとちらつきが少なく目が疲れづらくなります。

ランドリールームのクロスにカビ!・・・吸湿脱臭効果のあるクロスを選ぼう

ランドリールームのクロスは、吸湿効果や脱臭効果のある製品を選びましょう。これらの機能を持ったクロスは、ランドリールーム内の空気を快適に保ち、カビの発生も防げます。また、高い調湿機能を持つ珪藻土の活用もおすすめです。
ランドリールームの内装は、機能性だけでなくインテリアも楽しむことがおすすめです。ランドリールームは他の部屋とインテリアを合わせる必要のない、独立した空間であり、家族以外は出入りしません。思い切ったデザインやテイストを試して自分好みの空間にすれば、さらに家事時間が楽しくなりそうです。

建築コストが高くなる?費用対効果を考えるポイント

ランドリールームの導入は、スペースを確保するための建築コストや、換気・乾燥設備にかかる費用など、通常の家づくりに比べて追加の費用が発生する可能性があります。しかし、それで得られる家事効率の向上、時間短縮、そして生活の質の向上というメリットは、費用に見合う、あるいはそれ以上の価値があるかもしれません。
導入前に、家族の洗濯物の量、洗濯にかける時間、重視したい機能などを具体的に検討し、費用対効果をしっかりと考えることが、後悔しないランドリールーム作りのポイントです。

居室を圧迫する可能性も?広さと他の空間のバランス

ランドリールームのためにスペースを割くことは、LDKや居室など、他の空間の広さを圧迫する可能性も考えられます。限られた延べ床面積の中で、どこにどのくらいの広さを配分するかは、家全体の快適性を左右する重要な判断です。
ランドリールームに求める機能と広さを明確にし、家全体のバランスを考慮しながら計画を進めましょう。洗面脱衣室との兼用や、廊下の一部を活用するなど、工夫次第でコンパクトでも機能的なランドリールームは実現可能です。

独立した部屋で家事をするのが寂しい?家族とのコミュニケーションも考慮

ランドリールームが完全に独立した空間である場合、一人で家事をすることになり、家族とのコミュニケーションが少なくなることを懸念する声もあります。家事は大切な家族との時間の一部と考える方にとっては、この点はデメリットになるかもしれません。
この対策としては、例えばランドリールームをリビングやダイニングと完全に仕切らず、緩やかにつながるような間取りにする、あるいは、リビングからランドリールームの様子が見えるような窓を設けるなどの工夫が考えられます。家事の効率化と家族との交流、両方をバランス良く実現できる間取りを検討しましょう。

ランドリールームに関するよくある質問

ここでは、ランドリールームに関するよくある質問にお答えします。

ランドリールームとサンルームのどちらが使いやすいですか?

ランドリールームとサンルームはそれぞれ異なる特徴と利点があります。

・ランドリールーム:室内空間のため、天候に左右されず、洗濯から乾燥、アイロン掛け、収納までを一ヶ所で完結できる点が最大のメリットです。防犯性やプライバシー保護も高く、花粉やPM2.5などの心配もありません。ただし、陽当たりの良い場所に設置しない場合や換気計画が不十分な場合は、乾燥効率が落ちる可能性があります。

・サンルーム:日光をたっぷり取り込めるため、洗濯物が自然乾燥でカラッと乾きやすいのが魅力です。太陽光による殺菌効果も期待できます。しかし、天候に左右されやすく、雨の日や冬場は乾燥効率が落ちることがあります。また、夏場は室温が非常に高くなるため、アイロン掛けなどの作業には不向きな場合があります。

どちらが使いやすいかは、何を優先するか(例:天候に左右されないこと vs 自然乾燥の快適さ、作業効率 vs 日光による殺菌効果)や、季節、地域、ライフスタイルによって異なります。両方の良い点を組み合わせた間取りも検討してみると良いでしょう。

ランドリールームの間取りは何畳が一般的ですか?

ランドリールームの間取りは、ご家庭の洗濯物の量や、ランドリールームでどこまでの作業を完結させたいかによって最適な広さが異なりますが、一般的には2畳から4畳程度で計画されることが多いです。

・2畳程度:洗濯機と最低限の物干しスペース、洗剤などの収納があれば十分という場合に適しています。コンパクトな空間でも、動線を工夫すれば十分に機能させることが可能です。

・3畳程度:洗濯機、物干しスペースに加えて、洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりできる作業用カウンターを設置できるゆとりが生まれます。

・4畳以上:さらにゆとりを持たせ、収納を充実させたり、ファミリークローゼットと一体化させたりするなど、より多機能な空間として活用できます。

重要なのは、広さよりも「どのような機能を持たせたいか」を明確にし、それに合わせた動線と収納計画を立てることです。

ランドリールームで洗濯物を干す場所はどこがいいですか?

ランドリールームで洗濯物を干す場所は、以下の点を考慮して計画すると良いでしょう。

・洗濯機の近く:洗濯物を洗い終わってすぐに干せるため、移動距離が短縮され、体力的な負担が軽減されます。

・換気設備の近く:換気扇や窓の近くに干すことで、湿気がこもりにくく、洗濯物が効率よく乾きます。

・作業用カウンターの上:カウンターを物干しスペースとして活用したり、カウンターのすぐ上にポールを設置したりすることで、洗濯物を畳む作業への移行がスムーズになります。

・壁面や天井を有効活用:折りたたみ式の物干しラックや、昇降式の物干し竿、壁に取り付けるタイプの物干しハンガーなどを活用することで、普段は邪魔にならず、必要な時にだけ干すスペースを確保できます。

干す場所の配置は、ご家庭の洗濯物の量や干し方(ハンガーが多いか、平干しが多いかなど)によって最適な形が異なります。

ランドリールームの洗濯物をどうやって乾かしますか?

ランドリールームで洗濯物を乾かす方法は、主に以下の組み合わせが考えられます。

・換気扇や窓による自然換気:最も基本的な方法です。窓がある場合は定期的に開けて換気し、換気扇は常時稼働させることで、室内の湿気を排出します。

・除湿器:湿気の多い季節や、早く乾かしたい場合に非常に有効です。特に乾燥機能付きの除湿器は、効率的に洗濯物を乾燥させられます。

・浴室乾燥機:ランドリールームと浴室が隣接している場合、浴室乾燥機を活用することも可能です。温風で乾燥させるため、短時間で乾かすことができます。

・エアコンのドライ機能:ランドリールームにエアコンを設置している場合、ドライ機能を使って除湿し、乾燥を促すことができます。

・扇風機やサーキュレーター:空気の循環を促すことで、洗濯物の表面の水分を効率的に蒸発させ、乾燥時間を短縮します。特に除湿器やエアコンと併用すると効果が高まります。

これらの方法を組み合わせることで、天候に左右されずに、常に快適な状態で洗濯物を乾かすことが可能になります。

まとめ:ランドリールームで快適な家事と理想の暮らしを実現しよう

家族に必要な機能を詰め込んだランドリールームを作ることができれば、家事効率を大幅に向上させ、家事に要する時間や家事ストレスを軽減できます。ランドリールームについて検討する際の重要なポイントをまとめると以下の通りです。

・ランドリールームは洗濯、乾燥、アイロン掛けなど洗濯作業を一ヶ所で行えるため、洗濯の家事効率が向上させられること

・ランドリールームについて検討する場合、家族のライフスタイルに合わせて、どの作業に関わる動線を優先したいか明確にすること

・限られたスペースでも、洗面脱衣室と一体化させたり、収納を工夫したりすれば、充実した空間が実現できること

・家族のライフスタイルに合わせて、ファミリークローゼットや他の家事スペースとつなげると、洗濯だけでなく、家事全体の効率もアップできること

・様々な家事をまとめて行える家事ステーションとして使ったり、将来のライフスタイルの変化にも対応させたりなど、柔軟に計画できること

ランドリールームは、洗濯作業をメインとする空間ですが、配置や使い方によっては家事動線全てを効率アップできます。快適で便利なランドリールームを作って、家事ラクを叶える住まいづくりを実現してみてはいかがでしょうか。

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一度にいろいろなモデルホームを見比べたり、体感できるから、
理想の住まいがきっと見つかります。