注文住宅の内装を決める際、キッチン選びは重要なポイントになります。毎日のように料理する場所だからこそ、おしゃれなデザインでできるだけ使いやすいキッチンにしたいと考える方は多いでしょう。しかし、キッチンの種類やデザイン、オプションは選択肢が豊富なため、実際に何を選んだら良いのか迷ってしまいがちです。
本記事では、注文住宅でおしゃれなキッチンづくりを実現するため、キッチンの種類やレイアウト、決め方のポイントなどを解説します。注文住宅のキッチン選びで後悔したくない方や、理想のキッチンを実現したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅のキッチンの種類
注文住宅に採用される基本的なキッチンの種類は、以下の2つです。
- ●壁付けキッチン
- ●対面キッチン
それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説します。
壁付けキッチン

壁付けキッチンは、名前のとおり壁に沿って配置されるキッチンです。リビングダイニングと分離して独立した配置になっていることもあり、「独立キッチン」とも呼ばれます。壁付けタイプは収納スペースを確保しやすく、料理の煙やにおいが広がりにくいのがメリットです。
一方、壁に向かって作業するため、料理中に子どもの様子を見たり、家族とコミュニケーションをとったりしづらいうえ、キッチンからリビングまでの動線が長くなりやすく、配膳効率が悪くなる点はデメリットといえるでしょう。
対面キッチン

対面キッチンは、リビングダイニングに向かって設置されるタイプのキッチンです。開放感があるつくりが人気で、注文住宅では多く採用されています。料理中もリビングを向いて作業できるため、家族とコミュニケーションをとりやすいのがメリットです。子どもの様子も見やすく、子育て世帯にもおすすめできます。
一方、リビングからもキッチンがよく見えるため生活感が出やすく、においや煙が広がりやすいのがデメリットです。
注文住宅のキッチンレイアウト
注文住宅で採用されるキッチンの主なレイアウトは、以下のとおりです。
- ●アイランドキッチン
- ●ペニンシュラキッチン
- ●I型キッチン
- ●L字型キッチン
- ●二列型キッチン
それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説します。
アイランドキッチン

キッチンが島(アイランド)のように独立して配置され、両側が通路になっているレイアウトです。開放的で家族とコミュニケーションをとりやすく、作業導線が広く確保できるため、複数人でも料理がしやすいメリットがあります。ただし、開放的な空間であるゆえに料理の煙やにおいが広がりやすく、両側に通路を設けるため一定のスペースが必要です。
ペニンシュラキッチン

対面式キッチンの片側が半島(ペニンシュラ)のように壁に付いているタイプのレイアウトです。アイランド同様に開放感がありながら、通路は片方で済むため省スペースでの設置が可能ですが、キッチンの奥側からリビングへの動線が長くなってしまうのはデメリットといえるでしょう。
I型キッチン

シンク・コンロ・作業台が一列に並んだレイアウトのキッチンで、壁付け・対面両方のタイプで採用されます。料理をする際は動線が横移動のみとなるためシンプルで、設置するのに広いスペースをとらないのがメリットです。ただし、キッチンを広くすると横の動線が長くなってしまったり、冷蔵庫まで距離ができてしまったりするデメリットもあります。
L字型キッチン

シンクとコンロ・作業台をL字型に配置したレイアウトのキッチンです。壁付けだけでなく、L字の片方をリビングに向ければ対面キッチンにもなります。料理中は向きを変えるだけでさまざまな作業を行え、移動が少なく済むのがメリットです。一方で、コーナー部分がデッドスペースになりやすい点はデメリットといえます。
二列型キッチン
通路を挟んだ両側に、コンロとシンクを分けて配置するタイプのレイアウトです。一方は壁付け、もう一方は対面になります。両方の良さを併せ持ち、調理と後片付けのスペースを分離できるため効率的な作業がしやすく、通路にもゆとりをもたせられるのがメリットです。ただし、価格が高めになるのに加え、場合によっては2箇所での作業が不便に感じることもあるでしょう。
注文住宅のキッチンで後悔しないための決め方

注文住宅のキッチンで後悔しないためには、以下のポイントに注意しましょう。
- ●サイズ・高さ
- ●収納量
- ●通路幅
- ●リビングからの見え方
- ●コンセントの配置・数
- ●素材
- ●動線
- ●デザイン
- ●ゴミ箱置き場
- ●オプション
以下でそれぞれ詳しく解説します。
サイズ・高さ
キッチンのサイズ・高さはデザインだけでなく、作業効率にも影響する大切なポイントです。サイズが小さいと収納量やワークスペースが減ってしまう可能性があり、高さが合っていなければ、料理をする際に身体に負担がかかりやすくなります。
サイズや高さは、家族の中で最も頻繁にキッチンに立つ人に合わせると良いでしょう。モデルハウスやショールームを見学して、実際に確認しておくことが大切です。
収納量
キッチンの収納量は、使いやすさを左右する重要なポイントの一つです。収納が足りないと、物が外に溢れて散らかりやすくなります。ただし、大容量の収納を設けると、キッチンスペースが大きくなってしまう点にも注意が必要です。
キッチン本体の収納量だけでなく、パントリーを設置して収納力を補う方法も検討すると良いでしょう。
通路幅
キッチン内の通路幅は、料理の作業効率に影響する大切なポイントです。料理の仕方によって変わるものの、一般的に通路幅は80〜120cmが目安とされています。
通路幅を決める際は、スペースを必要とする場所を基準にしましょう。冷蔵庫の開閉が窮屈にならないか、収納棚などが背面にあっても問題なく通れるかなどを想定しておくと、寸法を決めやすくなります。
リビングからの見え方
キッチンは普段から物が多く置かれており、生活感が出やすくなる空間です。特に対面キッチンのタイプで来客が多い場合などは、リビングからの見え方にも工夫が必要です。
キッチンをスッキリさせて綺麗に見せるには、収納を増やすだけでなく、カウンターを設けたり、一部壁をつくったりするなどして手元の視線を遮るのが良いでしょう。
コンセントの配置・数
キッチンは調理家電を使う機会が多く、コンセントの利用が欠かせない場所です。冷蔵庫や炊飯器、レンジ、電気ポットなど、代表的な家電だけでも多くのコンセントが必要になるため、配置や数が合っていないと使い勝手が悪くなります。
キッチンをデザインする際は、何をどこに置くのか、どこで使いたいのかを想像しながらコンセントの配置や数を決めていきましょう。
素材
キッチンは生ごみが出たり、水垢や油汚れがつきやすかったりするため、本体の素材選びも重要です。ステンレスのように掃除がしやすく、綺麗な状態を保ちやすい素材を選ぶと使い勝手が良くなるでしょう。
一方、素材は見た目の印象やおしゃれさを演出するうえでも大切なポイントです。人工大理石など、デザイン重視で高級感の出る素材を選ぶ方法もあります。
動線
キッチン内では、動線をしっかり確保できるかどうかも料理中の作業効率に大きく影響します。キッチンの動線を考える際は、ワークトライアングルを考慮して配置を決めるのがおすすめです。
シンク・コンロ・冷蔵庫を結んだ線をワークトライアングルと呼び、三角形の一辺が3.6〜6m以内で正三角形に近づくほど作業がしやすくなるとされています。
デザイン
キッチンのデザインを考える場合は、単体で決めるのではなく、リビングダイニングなどと合わせてトータルコーディネートするのがおすすめです。
キッチンだけを独立して配置するケースは少ないため、ほかのスペースや間取りとのつながりも重要になります。同じ空間でテイストが異なると、キッチンだけ浮いてしまう可能性があるため、全体の調和を見ながらデザインを決めていきましょう。
ゴミ箱置き場
ゴミ箱の置き場はあまり目立たないものの、キッチンの印象に影響を与えてしまいかねません。置く場所によっては、キッチンがおしゃれに仕上がっていてもゴミが丸見えになってしまい、デザイン性の低下につながります。
ゴミ箱はシンク下など目立たない場所に設置したり、収納して隠せるビルトインタイプを選んだりするなどの工夫が大切です。
オプション
注文住宅のキッチンはオプションの種類が豊富にあるため、必要な設備・デザインの選択が重要です。
食洗機やIHなどの機器から扉、作業台のグレードまで多様なオプションが選べるものの、なかには使用頻度が少なかったり、かえって不便に感じたりするケースもあります。オプションは増やすほどコストがかかるため、本当に必要かどうかの見極めが大切です。
注文住宅のキッチン選びは内装全体のデザインバランスと作業効率の考慮が大切

キッチンは日常的に作業を行う、住宅の中でも重要な設備です。キッチンが使いにくいと、日々の生活にも大きく影響が出てしまうかもしれません。注文住宅でキッチンを選ぶ際には、キッチンの種類やレイアウト、設備、動線・スペースの確保、リビングダイニングとの調和など、作業効率と内装全体のデザインバランスを考慮することが大切です。
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