
注文住宅に対する満足度は、物の収納のしやすさ・取り出しやすさに大きく左右されます。しかし、収納をどこにどの程度つくればよいかわからず、家づくりに不安を抱えている方は少なくありません。また、賃貸で感じていた収納に関する悩みを解消したい方も多いでしょう。
本記事では、注文住宅の収納計画で失敗しやすいポイントを紹介し、収納に役立つ間取りアイデアや、収納計画のポイントを解説します。家づくりを検討中の方はぜひご覧ください。
収納計画でよくある失敗ポイントと対策

注文住宅の収納計画を立てる際は、各部屋の使用状況や収納が必要な物を具体的にイメージすることが重要です。ここでは、収納計画でよくある失敗ポイントを設備や部屋別に解説し、その対策も合わせてご紹介します。
玄関収納の失敗例と解決策
玄関は靴だけでなく、雨具やベビーカー、アウトドアグッズなどもしまっておきたい場所です。十分な収納スペースがなければ、物が溢れて玄関がごちゃごちゃした印象になってしまうでしょう。また、玄関は外からの汚れが入りやすい場所であるため、散らかると不潔な印象を与えやすくなります。
【失敗例】
- • 靴が収まりきらず、玄関に出しっぱなしになっている
- • ベビーカーやゴルフバッグが玄関の隅に置かれていて通行の邪魔になる
- • 来客時に散らかった玄関を見られるのが恥ずかしい
【解決策】
玄関の土間が広くない場合は、シューズクロークのような「隠す収納」を確保することで、すっきりとした玄関を維持できます。また、季節ごとに使わない靴を収納できる下駄箱の上部スペースや、コート掛けの設置も有効です。
洗面所・脱衣所の収納不足を解消するアイデア
洗面所・脱衣所はドライヤーやヘアアイロンなどの器具、歯ブラシやタオルなどの日用品、掃除用品など多くのアイテムが集まる場所です。シャンプーや洗剤の詰め替えなどの消耗品ストックも常備したいため、効果的な収納計画が必要です。
【失敗例】
- • 化粧品や洗剤のストックで棚がパンパンになっている
- • タオルが乱雑に置かれていて見栄えが悪い
- • 洗濯機の周りに物が散乱し、家事動線が悪い
【解決策】
洗面化粧台の棚に加えて、使用頻度に合わせた追加の収納スペース(例えば、壁面収納や吊り戸棚、可動棚など)を確保することで、整理整頓しやすい清潔な洗面所・脱衣所を維持できます。バスケットやボックスを活用して細かく分類するのもおすすめです。
トイレの収納スペースを有効活用
広々としたスペースを確保しにくいトイレですが、トイレットペーパーやサニタリー用品、掃除道具、子どものトイレトレーニング用品など、多くの物を収納する必要があります。見た目の清潔感を損なわず、必要な物をしまう工夫が求められるでしょう。
【失敗例】
- • トイレットペーパーの予備を床に直置きしている
- • 掃除用品がむき出しで、生活感が出ている
- • 子どものおむつや補助便座の置き場所に困る
【解決策】
トイレの背面や上部スペースを活用した収納棚の設置や、埋め込み式のニッチ収納などが有効です。内装色を統一することで視覚的な広がりを演出し、扉付きの収納を選べば生活感を抑えつつ、実用性と快適性を両立できます。
キッチンの使いやすい収納計画
キッチンは食器、調理器具、調味料、家電、食材など、非常に物が増えやすい場所です。特にアイランドキッチンのようなリビングから見えやすいキッチンの場合は、生活感を抑えた空間づくりが重要になります。
【失敗例】
- • 調理器具や食器が収まりきらず、カウンターの上に出しっぱなしになっている
- • 調味料が雑然と並び、見た目が悪い
- • 大型家電の置き場所がなく、作業スペースが狭くなる
【解決策】
調理の動線を考慮した収納の配置と「隠す収納」の活用が、使い勝手のよいキッチンをつくるポイントです。例えば、シンク下やコンロ周りに引き出し収納を設ける、パントリーを設置して食品ストックを一括管理するなど、工夫次第で快適なキッチンを実現できます。
リビングをすっきり保つ収納術
リビングは家族が集まる空間のため、雑誌や小物、子どものおもちゃ、勉強道具といった物が増えがちです。特にソファやテーブルの周りには日用品が散らかりやすく、インテリアの魅力を感じにくくなる場合があります。
【失敗例】
- • 子どものおもちゃが床に散乱している
- • 読みかけの雑誌やリモコンがテーブルの上に置きっぱなし
- • 生活雑貨がむき出しで、おしゃれな雰囲気が損なわれている
【解決策】
「見せる収納」と「隠す収納」をバランスよく配置し、使用頻度の高いものもすぐにしまえる環境を整えることで、美しく居心地のよいリビングを維持できます。造作の壁面収納や、収納付きのリビングテーブル、デザイン性の高い収納ボックスなどを活用しましょう。
寝室の快適な収納計画
寝室では衣類の収納スペースが不足しがちです。衣替えの手間を省くため、一年分の服をまとめて保管する家庭が増えつつあり、特に複数人で寝室を使用する場合はより一層スペースが不足してしまいます。
【失敗例】
- • 季節外の衣類がベッドの下や部屋の隅に積み重ねられている
- • 夫婦の衣類が混在し、どこに何があるか分かりにくい
- • 着替えの動線が悪く、朝の準備に時間がかかる
【解決策】
家族構成や持ち物に合わせて収納スペースを適切に配置することで、リラックスできる寝室づくりが可能です。ウォークインクローゼットや作り付けのワードローブ、ベッド下収納などを検討し、衣類だけでなく寝具や小物なども効率的に収納できる計画を立てましょう。
注文住宅の収納に役立つ間取りアイデア【タイプ別解説】

注文住宅を建てる際は、間取りを工夫することで収納スペースを確保しやすくなります。ここでは、限られた空間を最大限に活用し、生活をより快適にする間取りのアイデアを、タイプ別に具体的にご紹介します。
小屋裏収納・ロフト:デッドスペースを有効活用
小屋裏収納やロフトは、デッドスペースになりがちな部屋の上部空間を有効活用した収納です。「グルニエ」とも呼ばれる小屋裏収納は、天井裏に隠れる形で設置され、普段は目に触れない場所に収納できるのが特徴です。一方、ロフトは部屋から直接見える位置に設けられ、空間のアクセントとしても機能します。
小屋裏収納・ロフトには、季節物の家電(扇風機、ヒーターなど)、クリスマスツリーなどのイベント用品、キャンプ用品といった使用頻度の低い大きな荷物もしまいやすく、普段の生活空間をすっきりと保つのにおすすめです。
パントリー:買いだめ派に嬉しい大容量収納
パントリーは、物が増えがちなキッチン専用の大型収納スペースで、食品のストックや調理器具、飲料などをまとめて保存・保管できるのが特徴です。
キッチンの生活感をできるだけ抑えたい方には、収納力の高いパントリーの設置を強くおすすめします。まとめ買いした食品や飲料が一目で見渡せるため、在庫管理が容易になり、結果として無駄な買い物も減らせるメリットも期待できます。ウォークインタイプや、キッチンから直接出入りできるタイプなど、使い勝手に合わせて選べます。
シューズクローク:玄関をいつも綺麗に
シューズクロークは、靴だけではなくアウトドア用品やベビーカーなども収納できる、大型で多目的に使えるスペースです。
シューズクロークは、出入り口が一箇所で通り抜けできない「ウォークイン型」と、複数の出入り口があって通り抜けられる「ウォークスルー型」の2種類に分けられます。特にウォークスルー型を選ぶと、玄関周りの散らかりを防ぎつつ、出かける際や帰宅時の家族の生活動線がよりスムーズになります。
ファミリークローゼット:家事効率を上げる収納術
ファミリークローゼットは、家族全員の衣類をまとめて収納できる大型のクローゼットです。家族分の衣類を一箇所に集約することで、洗濯後の衣類の収納が簡単になり、各部屋が散らかりにくくなるという大きなメリットがあります。特に、洗濯機の近くにファミリークローゼットを設けると、洗濯から収納までの動線をコンパクトにまとめられ、日々の家事を大幅に効率化できるでしょう。
また、季節ごとの衣替えの手間を省けるだけでなく、家族それぞれの持ち物を把握しやすくなるため、無駄な衣類購入の防止にも繋がります。
壁面収納:空間を広く見せる工夫
壁面収納は、壁に直接棚を設置したり、壁一面を収納として活用する収納方法です。オープンな棚にすれば「見せる収納」としてインテリア性を高められ、扉や引き出しを設ければ「隠す収納」として生活感を抑えることができます。
壁一面を収納スペースとして活用できる壁面収納は、効率よく収納スペースを確保できるため、より多くの生活スペースを確保できます。また、壁に固定されているため、地震が発生しても棚自体が倒れる心配が少なく、安全面でも優れています。部屋のサイズや用途に合わせて、オーダーメイドで設計することも可能です。
階段下収納:意外な収納力
階段下収納は、デッドスペースになりがちな階段下を有効活用できる収納方法です。階段下は天井が低く、特殊な形状になる場合が多く見られますが、その形状を活かして掃除機、季節家電、防災グッズなどを収納するのに適しています。
照明を設置したり、奥の方には使用頻度の低いものをしまったりといった工夫をすると、利便性の高い収納となるでしょう。引き出しタイプや棚板を設けるなど、収納したい物に合わせて工夫することで、さらに使い勝手が向上します。
オープン収納:見せる収納でおしゃれに
オープン収納とは、扉がない棚やラックのような「見せる収納」のことです。おしゃれな雑貨店のような雰囲気になるため、収納しつつインテリアとしても楽しめます。お気に入りの本やコレクション、観葉植物などをディスプレイすることで、部屋の雰囲気を個性的に演出できます。
どこに何があるかが一目で分かるオープン収納は、必要なものを探す手間を減らせます。また、取り出しやすく片付けやすいため、整理整頓が苦手な方や子どもでも簡単に収納できるでしょう。ただし、常に整理整頓を心がける必要があります。
小上がり畳スペースの床下収納:和室を多機能に
小上がりとは、リビングのフローリングから一段高くなった畳を敷いたスペースのことです。小上がりがあると、家の中に立体感とメリハリが生まれるだけでなく、腰かけたり寝転がったりと多目的に活用できます。
この小上がりの床下を収納として利用する方法には、引き出しタイプ、天面開口タイプ、跳ね上げタイプなどがあります。比較的大きな収納スペースを確保できるため、普段使わない来客用の布団や季節物の衣類、お子様のおもちゃなど、かさばるものも収納しやすく、限られた空間を効果的に活用可能です。
ウォークインクローゼット:衣類の一括管理に
ウォークインクローゼットは、人が内部に入れるほど余裕がある大型のクローゼットです。広さによっては衣類だけでなく、スーツケース、スポーツ用品、アウトドアグッズといった大きな物までまとめて収納できます。また、クローゼット内で着替えを済ませられるため、より効率的に行動できるのも魅力です。
パイプハンガーや棚、引き出しなどを組み合わせることで、衣類の種類や量に合わせて最適な収納計画を立てることができます。通気性を考慮した窓や換気扇の設置も検討しましょう。
対面キッチンの前面収納:リビングを片付ける
対面キッチンの前面収納とは、対面キッチンのダイニング側に設けられた収納スペースのことです。カウンターと一体になっているため、基本的に奥行きが浅く、細かな物を収納するのに適しています。
キッチンとリビングの境界線上に位置しているため、キッチン用品だけでなく、ダイニングやリビングで使用するリモコン、書類、薬、文房具、子どもの勉強道具などの収納にもおすすめです。リビングの散らかりを防ぎ、いつでもすっきりとした空間を維持するのに役立ちます。
収納をつくるときの重要なポイント

注文住宅の収納をつくるポイントは、家族の将来も考慮して適切なスペースを確保することと、使い勝手のよい場所への収納の配置です。以下では、収納をつくるときのポイントを詳しく解説します。
必要な収納量を正確に把握する
収納計画を立てる際は、まず家族全員の持ち物やライフスタイルを考慮し、適切な収納量を正確に把握することが不可欠です。一般的に、収納率の目安は床面積の10~15%程度とされていますが、これはあくまで目安であり、各家庭の持ち物の量によって大きく異なります。
収納量を正確に把握するためには、現在の持ち物をリストアップし、不要な物を整理整頓した上で、残った物に必要なスペースを見積もるのが効果的です。特に、大型家電や季節用品、趣味の道具など、かさばる物をリストアップすると良いでしょう。
使用する場所の近くに収納を配置する「適材適所」
効率的な収納の最大のポイントは、「適材適所」、つまり使用場所の近くに物を収納することです。使いたいアイテムが手の届く範囲にあれば、取り出しや片付けの手間を大幅に削減でき、結果として部屋が散らかりにくくなります。
反対に、使用場所から離れた場所に収納すると、わざわざ取りに行く必要が生じ、次第に面倒に感じて使用頻度が低下してしまいます。結果として、せっかくの収納スペースが「ただ物を置いておくだけの場所」となってしまい、利便性が損なわれるだけでなく、他の場所に物が散乱する原因にもなるでしょう。
将来を見据えて柔軟に設計する
収納スペースをつくるときは、家族の将来を見据えた収納計画を立てることが大切です。時間の経過とともにライフスタイルは変わっていき、ライフスタイルが変われば必要な収納の量や種類も変化します。
例えば、子どもが成長して独立した後や、夫婦二人暮らしになった場合を考慮して収納計画を立てると、長期的に使いやすい住まいとなるでしょう。子ども部屋の収納をあえて少なめにして、ファミリークローゼットのような大きな収納スペースを設けておくと、将来的に子ども部屋を趣味の部屋や書斎として活用しやすくなります。可動式の棚や、将来間仕切りができるような設計も有効です。
【Q&A】注文住宅の収納に関するよくある質問
ここでは、注文住宅の収納計画に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 注文住宅に収納スペースを設置する場合の費用の目安は?
収納スペースの設置費用は、その種類や規模、使用する素材、造作の有無によって大きく異なります。例えば、既製のシステム収納であれば比較的費用を抑えられますが、オーダーメイドの造作収納やウォークインクローゼット、パントリーなどは、その分費用が高くなる傾向があります。
おおよその目安としては、一般的なクローゼットで数万円から、ウォークインクローゼットやパントリーなどの大容量収納では数十万円から数百万円かかるケースもあります。具体的な費用については、住宅メーカーや工務店との打ち合わせで、希望する収納の種類や規模を伝え、詳細な見積もりを取るようにしましょう。
Q2. キッチン収納で注意するポイントを教えてください。
キッチン収納で最も重要なのは、「使い勝手の良い動線」と「必要な物の適正な収納量」です。
- • 動線: 調理中に必要な物がすぐに取り出せるよう、コンロやシンク、冷蔵庫の近くにそれぞれの物を収納する「ゾーン分け」を意識しましょう。例えば、コンロ周りには調味料やフライパン、シンク下には洗剤やスポンジ、食器棚には食器類などです。
- • 収納量: 食材のストック量や所有する調理器具、食器の数を正確に把握し、多すぎず少なすぎない適正な収納量を確保することが大切です。パントリーの活用も検討しましょう。
- • 衛生面: 食材を扱う場所なので、清潔さを保ちやすい素材を選び、通気性を確保することも重要です。
Q3. 収納量を増やしすぎると失敗しますか?
収納量を増やしすぎることが、必ずしも失敗に繋がるわけではありませんが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
- • 居住スペースの圧迫: 収納スペースを増やしすぎると、その分居住スペースが狭くなり、開放感が失われる可能性があります。
- • 建築コストの増加: 収納スペースの増加は、壁や棚などの材料費、工事費に直結し、建築コストの上昇に繋がります。
- • 物の増加: 収納スペースが豊富にあると、「とりあえずしまっておこう」という心理が働き、無駄な物が増えてしまう可能性もあります。定期的な見直しと整理整頓が重要になります。
理想は、家族のライフスタイルや持ち物の量に合わせた「適切な収納量」を確保することです。収納計画の際は、現在の持ち物をリストアップし、将来的な変化も見据えて柔軟に検討しましょう。
【まとめ】収納の種類やポイントを把握して適切な収納計画を立てよう

理想の注文住宅をつくるには、適切な収納計画が欠かせません。各部屋の使い方をイメージしながら、ライフスタイルに合わせた間取りや収納の工夫を取り入れることで、暮らしやすい住まいになるでしょう。また、将来の家族構成の変化も見据えて必要な収納スペースを確保し、適切な場所に配置することも大切です。
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