
玄関は、毎日利用する家の出入り口です。長く留まる場所ではないものの、人の目に触れることも多いため「使いやすくおしゃれな玄関にするには、どうすればいいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、注文住宅で玄関をつくる際に意識すること、よくある失敗事例と対策、おしゃれにするためのアイデアを紹介します。さらに、建ててから後悔しないために押さえておきたいポイントも解説しますので、家づくりの参考にしてください。
注文住宅の玄関間取りを考える上で重要なこと

家族が出入りしたり来客を迎えたりする玄関は、家の顔となる場所です。家づくりを計画する際は、玄関の雰囲気によって家全体の印象が左右されることを踏まえたうえで間取りを決めましょう。まずは、玄関の間取りを考える上で重要なポイントを解説します。
玄関の広さ・開放感を決める要素
一般的な玄関の広さは3~4帖程度です。何も置かなければ十分な広さですが、家族の靴や傘、ベビーカー、アウトドア用品などを置くと、手狭に感じることがあります。また、玄関がごちゃごちゃしていると、家全体が雑然とした印象になりかねません。必要に応じて土間部分の間口を広げるなど、広さを考えて設計するのがおすすめです。
使用頻度の高いアウトドア用品を玄関に保管したい場合は、置くためのスペースをあらかじめ確保しておきましょう。観葉植物やインテリアを置きたいのであれば、見せる棚を造作する方法もあります。玄関ホールに吹き抜けを設けることで、視覚的な広がりと開放感を演出することも可能です。
玄関の収納計画を立てる際のポイント
玄関収納が不足すると、靴や屋外用品をしまうことができず、玄関が散らかりやすくなります。玄関の収納力を高めるには、荷物の量に応じて「シューズボックス」や「シューズクローゼット」を設置しましょう。
シューズボックスは、主に靴を整理・保管するための家具のことです。靴のほか、傘やシューケア用品なども収納できます。一方、シューズクローゼットとは靴や上着、屋外用品などを保管するために、玄関脇に設ける収納スペースのことです。人が立ったまま中に入れる構造になっていることが多く、シューズボックスよりも収納力があります。必要に応じた広さの収納を設置しましょう。
玄関の向きと採光の工夫
玄関の向きは、日当たりや風通しに影響します。人気がある玄関の向きは、自然光をたっぷりと取り入れられる南向きや東向きです。明るい玄関は開放的で気持ちよく利用できますが、夏場は暑くなります。適切な日差しを取り入れるためには、窓の配置や大きさも重要です。
また、家全体の間取りを決める際は、リビングやバルコニー、庭などを日当たりのよい南向きにする傾向があるため、結果的に玄関が北向きになるケースもあります。北向きの玄関は日差しが届きにくく暗くなりがちですが、夏場は涼しい点がメリットです。暗くなりがちな場合は、天窓やスリット窓、あるいは間接照明などを活用して採光を補う工夫が必要です。
また、道路に面する向きにすると、出入りする際に近隣住民や通行人から家の中が見えてしまうこともあるため、慎重に検討しましょう。
家族構成に合わせた最適な動線
快適性や見え方の観点から、玄関とほかの部屋をつなぐ動線を意識することも重要です。例えば玄関とキッチンが離れていると、購入した食材を運び入れる際の負担が大きくなります。若いうちは問題ないとしても、年齢を重ねてから不便さを感じる可能性が高いので注意が必要です。一方、玄関とリビングを直線的に結ぶと外から生活空間が丸見えになり、プライバシー確保の点から難があります。
その他、玄関から直接個人の部屋へ行けるようにするのか、リビングを経由させるのかなども間取りを決める際の重要なポイントです。玄関からの動線は、家族の帰宅時の行動をシミュレーションして決めることをおすすめします。特に子育て世帯では、帰宅後すぐに手洗い・うがいができるような動線や、部活動の道具などをスムーズに収納できる動線が求められます。
内装・外観と調和するデザイン
家の顔でもある玄関は、デザインにこだわることも大切です。特に存在感がある玄関ドアは、タイプによって玄関全体の設計やデザインに影響を与えます。まずは、主な玄関ドアのタイプを確認しておきましょう。
- ●片開きドア:右開きまたは左開きのスタンダードなドア
- ●引き戸:ふすまや障子のように、横方向にスライドさせるドア
- ●親子ドア:幅の異なる2枚のドアを組み合わせたドアで、普段は大きいドアのみを使用
- ●両開きドア:同じ幅をした2枚の扉を中央から開くドア
ドアの種類だけでなく、色や素材、機能性などを含めて考えることが重要です。玄関の内装(床材、壁材、照明など)と外観(玄関ポーチ、アプローチ、外壁材など)のテイストを統一することで、家全体のデザインにまとまりが生まれ、洗練された印象を与えます。
玄関間取りでよくある失敗事例と効果的な対策

注文住宅の玄関づくりで失敗しないためには、企画・設計の段階で気をつけておくべきポイントを把握することが大切です。以下では、玄関づくりでよくある失敗事例とその対策について解説します。
失敗例1: 狭くて使いづらい玄関
リビングやダイニング、個室などの広さを優先すると、玄関のスペースを十分に取れなくなることがあります。狭い玄関では複数人で同時に靴の脱ぎ履きをすることが難しく、時間のロスにつながりかねません。収納を削ると靴などがあふれ、散らかってしまうリスクもあります。
対策:余裕を持った広さや収納の確保
玄関は、家族構成や来客頻度に合わせて必要な広さを確保しましょう。靴や傘のほかに子ども用品やアウトドア用品なども置く場合は、収納スペースの広さも重要ですし、将来的な家族構成の変化も考慮に入れると安心です。荷物をすべて収納に入れることで、玄関の見た目がスッキリします。
失敗例2: 光が入らず暗い玄関
玄関の向きや窓の有無によっては日差しが届きにくく、昼間でも暗さを感じることがあります。暗い玄関は、靴の脱ぎ履きや掃除をするときに不便で、印象もよくありません。出入りするたびに照明を点ければ、毎月の電気代にも影響します。
対策:窓・吹き抜けをつくる
玄関を明るくするには、自然光を取り入れられる窓を設置するのがおすすめです。ドアの横に窓を設ければ、扉を開けなくとも外の様子を確認できるメリットもあります。また、玄関を吹き抜けにすると、2階部分からの光を取り込めるだけでなく、空間も広がり開放感がアップするでしょう。窓の設置が難しい場合は、ガラスブロックや採光できる玄関ドアを選ぶ、あるいは明るい色の内装材を選ぶことでも、暗さを軽減できます。
失敗例3: 生活臭がこもりがちな玄関
玄関に窓がないと、玄関ドアを開けたときしか空気の入れ替えができないため、ニオイがこもりやすくなります。十分な換気ができず靴のニオイや外から持ち込まれた砂埃のニオイがいつまでも漂っていると、玄関ドアを開けて室内に入ったときに、不快に感じてしまいます。ニオイがこもっていると、玄関の近くを歩くことがストレスにもなりかねません。
対策:開閉式窓・換気システムの設置
玄関に開閉できる窓を設置することで、通気性がよくなりニオイが気にならなくなります。加えて、窓からの採光も確保できるでしょう。窓の設置が難しい場合は、換気システムの設置がおすすめです。通気性がアップすれば、湿気がこもりにくくなりカビが発生するリスクも防げます。消臭機能付きの壁材や、アロマディフューザーの活用も効果的です。
失敗例4: 収納が足りず散らかる玄関
家族の靴や傘などを収納しきれず、土間部分に出しっぱなしになると玄関のスペースが狭くなってしまいます。物が多い玄関は使いづらく、散らかった印象を与えかねません。また、掃除が行き届かない原因にもなります。
対策:十分な収納スペースの確保
玄関に収納したい靴や雨具、アウトドア用品などをリストアップし、十分な収納スペースを確保することが大切です。靴や屋外用品を収納スペースにしまうことで、玄関全体がスッキリして使いやすくなり、来客にも清潔感のある印象を与えられます。特に、土間収納やシューズクローゼットなど、大容量の収納を計画すると効果的です。
失敗例5: キッチンや洗面所まで遠い不便な動線
帰宅後すぐにすることといえば、手洗いや着替えです。手洗いや着替えができる洗面所が玄関から遠いと、室内に汚れを持ち込まなければなりません。また買い物後、重たい荷物を持って帰ったときにキッチンや居室が遠いと、運び入れるのが大変です。
対策:効率的な動線の確保
外からの汚れを持ち込むリスクを減らすには、帰宅後すぐに手を洗えるよう玄関スペースに手洗い場を設置するのがおすすめです。また、荷物の運び入れなど日常生活の負担を軽減するには、玄関からパントリーにそのまま入れるようにしたり、靴のままキッチン近くまで荷物を運べるようにリビング土間にしたりする方法があります。家族の行動パターンをシミュレーションし、玄関から各部屋への移動がスムーズになるような間取りを検討しましょう。
失敗例6: 玄関から室内の様子が丸見えになってしまう
玄関とリビングが隣接した間取りにすると、外からリビングの様子が見えてしまい、落ち着いて過ごせません。また、トイレや洗面所を玄関近くに設置すると、玄関に来客があったときに対面しなければならず、使いにくさを感じることがあります。
対策:目隠しや間取り配置の工夫
玄関ドアを開けたときに外から中の様子が見えないようにするには、間仕切りを設けたりドアを設置したりして、空間を分けることが大切です。また、リビングと玄関の距離をあけたり、廊下に角度をつけたりしてもよいでしょう。玄関まわりにフェンスや植栽などの目隠しを設置するのも一つの方法です。視線を遮りつつも、光や風を通すデザインウォールやルーバーなどを採用するのも効果的です。
おしゃれで機能的な玄関になる間取りアイデア集

ここでは、機能性とおしゃれを両立した玄関をつくるためのアイデアを紹介します。
大容量を叶えるシューズクローゼット
シューズクローゼットとは、シューズクロークとも言い、土足で入れる収納スペースのことです。外から帰ってきてすぐにベビーカーや自転車、子どもの外遊び用具などを片付けられます。ほかにもアウトドア用品やスポーツ用品、カー用品など、室内に持ち込みたくない荷物の整理にも役立つでしょう。可動棚やハンガーパイプを設置することで、収納する物の種類に合わせてフレキシブルに活用できます。
空間を広げる吹き抜けのある玄関
玄関を吹き抜けにして高い位置に窓を設置すると、見た目がおしゃれになるうえ自然光を取り込みやすくなり、玄関全体が明るくなります。空間が広くなるため開放感が生まれ、嫌なニオイがこもりにくくなる点もメリットです。吹き抜けのある玄関は、視覚的に広がりを感じさせ、お客様にも開放的で明るい印象を与えます。
衛生面も考慮した玄関手洗いスペース
玄関に手洗いがあると、外から帰ってきたときにすぐに手指を清潔にすることができ、子どもが手洗いの習慣を身に付けられます。子どもの友だちが遊びにきたときや来客の際に、日用品があり生活感を感じやすい洗面所に通さず手洗いしてもらうことが可能です。感染症対策としても有効であり、玄関にコンパクトな手洗い器を設けることで、家族みんなの衛生意識を高めることができます。
利便性の高いインナーガレージ直結の動線
インナーガレージから玄関に直接入れるようにすると、外に出ることなく荷物の運び入れや移動ができ、出入りが格段に楽になります。雨の日でも濡れることがなく、夜間に帰宅したときも安心です。重い荷物の持ち運びや小さなお子様との移動が多い家庭にとって、非常に便利な間取りアイデアと言えるでしょう。
来客時と家族で使い分ける2WAY動線
玄関から直接リビングへつながる来客用動線と、シューズクローゼットやパントリーを通ってキッチンなどへアクセスできる家族用動線を分けることで、常に玄関をすっきりと保つことができます。お客様には整頓された印象を与えつつ、家族は散らかることなくスムーズに動ける、実用性と美しさを両立したアイデアです。
開放感と収納を両立する土間収納
土間収納は、土足のまま利用できる収納スペースで、シューズクローゼットと同様にベビーカーやアウトドア用品などを収納できます。玄関土間と一体的に設けることで、空間の繋がりを感じさせつつ、大容量の収納を確保できるのが特徴です。可動棚やフックなどを活用すれば、デッドスペースなく効率的に収納できます。
後悔しない玄関間取りにするための具体的なステップ

注文住宅は、一生に一度ともいわれる大きな買い物です。実際に住んでから後悔しないために、以下でポイントを紹介します。
家族構成・ライフスタイルに合わせて必要な機能性を洗い出す
玄関に必要な広さや機能は、家族構成やライフスタイルによって異なります。アウトドアを楽しむ家庭とそうでない家庭では、玄関に置いておきたい荷物量も違ってくるでしょう。一般的な情報を参考にしつつ、最終的にはわが家に必要な収納量や動線などを考慮し、実際の暮らしをイメージして決めることをおすすめします。現在の暮らしだけでなく、将来的な家族の変化(子どもの成長、親との同居など)も見据えて、必要な機能性を具体的に洗い出すことが重要です。
住宅全体の内装・外観と合わせてデザインコンセプトを統一する
玄関のデザインは、屋内の部分だけをこだわるのではなく玄関ポーチや外構とも合わせて検討しましょう。屋内と屋外両方でデザインを決めることで、バランスがよくなりまとまりが出ます。外と中でちぐはぐな印象を与えるよりも、テイストが統一されているほうがおしゃれな印象になるでしょう。モダン、ナチュラル、和風など、住宅全体のデザインコンセプトを明確にし、玄関もそのコンセプトに沿って内装材、外壁材、照明、植栽などを選定することで、統一感のある美しい佇まいが実現します。
好みのデザインや機能性に強みを持つ住宅メーカーを選ぶ
注文住宅には和風・北欧風・ナチュラルモダン・西海岸風などさまざまなスタイルがありますが、住宅メーカーには得意・不得意のデザインがあります。好みのデザインのマイホームをつくるには、住宅メーカーの選び方にも注意が必要です。後悔しないためにも、施工事例やカタログなどをしっかりと確認してから決めましょう。特に玄関は、メーカーのデザインセンスや提案力が表れやすい場所です。理想の玄関を実現するためには、住宅メーカーのこれまでの実績や得意な工法、デザインテイストをしっかりと比較検討することが不可欠です。
専門家と相談し、具体的な間取り図に落とし込む
理想の玄関イメージを漠然と持っているだけでは、実際の家づくりで後悔につながる可能性があります。家族の要望やライフスタイルを建築家や設計士といった専門家に具体的に伝え、プロの視点から実現可能な間取りやデザインの提案を受けることが重要です。動線や収納、採光、通風など、素人では見落としがちなポイントも専門家のアドバイスで解決できることがあります。複数のプランを比較検討し、納得のいく具体的な間取り図に落とし込むことで、失敗のない玄関づくりを目指しましょう。
▼注文住宅の玄関づくりに関するQ&A
Q1: 玄関の理想的な広さはどのくらいですか?
A1: 玄関の理想的な広さは、家族構成やライフスタイルによって大きく異なります。一般的には3〜4帖程度が多いですが、家族が多い、ベビーカーやアウトドア用品を置きたい、来客が多いといった場合は、これよりも広いスペースを検討すると良いでしょう。最低でも、家族が2人同時に靴の脱ぎ履きができる程度のゆとりがあると便利です。
Q2: 玄関収納を充実させるにはどうすれば良いですか?
A2: 玄関収納を充実させるには、まず「何を」「どれくらい」収納したいのかを具体的にリストアップすることが重要です。靴だけでなく、傘、コート、スポーツ用品、お子様のおもちゃ、防災用品なども考慮しましょう。その上で、シューズボックス、壁面収納、土間収納、ウォークインタイプのシューズクローゼットなど、収納したい物の量と種類に合わせた最適な収納スタイルを選ぶことが大切です。可動棚やハンガーパイプの活用も有効です。
Q3: 玄関の採光を確保するにはどのような方法がありますか?
A3: 玄関の採光を確保するには、窓の設置が最も効果的です。玄関ドアの横や上部に窓を設けたり、玄関ドア自体にガラス部分のあるデザインを選んだりする方法があります。また、吹き抜けを設けて上階からの光を取り込んだり、リビングなど隣接する部屋からの光を取り入れる室内窓も有効です。暗くなりがちな場合は、ガラスブロックや明るい色の内装材、適切に配置された照明も採光を補う上で役立ちます。
Q4: 玄関のニオイ対策で効果的なものはありますか?
A4: 玄関のニオイ対策には、まず換気をしっかり行うことが重要です。開閉できる窓を設置したり、換気システムを導入したりすることで、空気の循環を促せます。また、シューズクローゼット内に換気扇を設けるのも効果的です。その他、消臭・調湿効果のあるエコカラットなどの機能性壁材の採用や、空気清浄機、アロマディフューザー、定期的な掃除などもニオイ対策に有効です。
Q5: 玄関からリビングが見えないようにするには?
A5: 玄関からリビングが見えないようにするには、いくつかの方法があります。間取りとして玄関とリビングの間に廊下を設けたり、廊下に角度をつけたりすることで視線を遮ることができます。また、玄関ホールに間仕切り壁やデザイン性の高いルーバー、スクリーンなどを設置するのも効果的です。玄関ドアを開けた時に直接室内が見えないよう、目隠しになるような位置にドアを配置する工夫も考えられます。
Q6: 玄関に宅配ボックスは必要ですか?
A6: 近年、インターネット通販の利用が増えていることから、玄関に宅配ボックスを設置する家庭が増えています。再配達の手間が省け、時間を気にせず荷物を受け取れるため、共働き世帯や留守が多い家庭には特に便利です。設置場所やデザイン、サイズなどを考慮し、家族のライフスタイルに合わせて必要性を検討すると良いでしょう。
まとめ:玄関の間取りを工夫して使いやすく印象のよい空間にしよう

玄関は単なる出入り口ではなく、出かけるときには身支度を整え、帰ってきたときにはホッと一息つく場所です。お客様を出迎える場所でもあるため、使いやすく好印象を与える空間づくりを心がけましょう。
使いやすい玄関をつくるには、収納や動線、採光などを考慮することが大切です。機能的でおしゃれな玄関のある注文住宅をご検討の際は、ABCハウジングの住宅展示場へお越しください。多彩なモデルハウスをじっくりと見学しながら、理想のマイホームづくりに役立てましょう。



