
1日の疲れを癒やす寝室は、心身の健康を維持するための大切な空間です。マイホームを建てる際は、快適に過ごせる寝室をつくれるかどうかが生活の質に直結するといっても過言ではありません。
そこで本記事では、寝室の広さの目安やレイアウトの工夫、必要な設備、おすすめのインテリアなど、快適な寝室をつくるために知っておきたいポイントを解説します。「ぐっすり眠れる空間をつくりたい」「寝室づくりで失敗したくない」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
寝室とは

寝室とは毎日の睡眠時間を確保し、心と体を休めるための大切な場所です。注文住宅を建てる際は、快適に眠れる空間づくりのために、寝室の場所や環境にこだわる方も少なくありません。理想の寝室を設けるには、広さや静かさ、温度・湿度などさまざまな要素を考慮する必要があります。完全にプライベートな空間だからこそ、どのようにこだわりたいのかを見極めましょう。
広さの目安
寝室に確保する広さは、以下がおおまかな目安です。
- ●コンパクトにする場合:4.5畳程度
- ●広めに確保したい場合:8畳程度
- ●十分な収納スペースも確保したい場合:8~10畳程度
ただし、実際に必要な広さは置きたいベッドのサイズや数、家族構成、家全体の間取り、ベッド周りの空間をどのように使いたいかなどによって異なる点に注意しましょう。
【広さ別】寝室のレイアウト

ここでは、寝室の広さ別にどのようなレイアウトが可能なのかを解説していきます。
4.5畳
4.5畳の寝室は、シングルベッドであれば2台、ダブルベッドであれば1台といったレイアウトが可能で、コンパクトにまとめたい場合に適しています。ただし、部屋の形やベッドの配置によってはドアを開けづらくなることもあるため、注意が必要です。また、収納スペースは十分に確保できない可能性があります。
6畳
6畳の寝室は、一般的な居室と同じくらいの広さがあります。シングルベッド2台を余裕を持って設置でき、シングルベッド+ダブルベッドといった変則的な設置も可能です。寝心地を優先する場合は大きめのベッドを置き、収納スペースを確保したい場合はベッドをコンパクトにするなど、使い方に幅を持たせられるでしょう。
8畳
8畳は、快適な寝室をつくるのに適した広さで、ダブルベッド2台を並べて設置することが可能です。また、大きいベッドを設置した場合でも、ウォークインクローゼットのような大容量の収納スペースも確保できます。
10畳
10畳は、ゆとりのある寝室をつくるのに適した広さです。ダブルベッドを2台並べたり、クイーンサイズやキングサイズを設置したりしても余裕があり、ベビーベッドなどを置くことも可能です。収納スペースもしっかり確保できるでしょう。
1階に寝室をつくるメリット・デメリット

2階建ての注文住宅を建てる場合、寝室は1階につくるべきか2階にすべきかで悩むケースは少なくありません。ここでは、1階に寝室をつくるメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
寝室を1階に設けると、起床後すぐに洗面所やキッチンへ移動でき、生活動線がシンプルになります。また、子どもが小さいうちは常に近くで見守る必要があり、キッチンとの距離が近いことでミルクをすぐに作りに行ったり、寝かしつけた後の家事も楽になったりするでしょう。
さらに、寝室に行くために階段を上り下りする必要がないという点は、身体の負担が減るため年齢を重ねてからの生活にもプラスです。万が一災害が起こったときも、1階であれば屋外へすぐ避難できるでしょう。
デメリット
寝室を1階に設けるデメリットは、防犯上のリスクがある点です。空き巣は1階が侵入口となることが多いほか、外から寝室の内部を見られてしまう可能性もあるため、寝室の防犯対策が必須となるでしょう。
また、家族の生活時間帯にズレがあると、睡眠中に家族の足音やテレビの音などが気になってしまう可能性があります。静寂性を高めるための設計次第では、建築コストにも影響するかもしれません。
寝室に求められる設備

寝室は決して寝るためだけの部屋ではなく、リラックスして過ごすプライベートスペースでもあります。寝室で快適に過ごすために、どのような設備があると役立つのかを以下で解説します。
収納
寝室には、ウォークインクローゼットなどの広い収納があると便利です。パジャマやルームウェア、交換用のシーツ・枕カバーのほか、シーズン外の衣類や寝具など普段使わない物をまとめて収納できます。
室内に収納を補うためのハンガーラックなどを置くと、圧迫感のある空間になってしまうため、できる限り見せない収納スペースを確保しましょう。
コンセント
間接照明や加湿器を設置したり、スマホの充電をしたりするために、ベッド近くで使えるコンセントがあると便利です。ただし、コンセントの位置や数が適切でないと、延長コードを床に這わせる必要があり、見た目が悪くなるうえに夜間に足を引っ掛けてしまう可能性があります。コンセントは、少なくともベッドサイドに1つずつ設置するとよいでしょう。
内装材
リラックススペースである寝室の内装には、睡眠の質の向上のために自然素材を用いるのがおすすめです。床材に自然素材を用いることで、素足でも心地よく過ごせます。また、壁に高機能な素材を採用すれば、調湿・消臭効果を期待できるうえ、メンテナンスも簡単です。
効果的なインテリアの選び方

リラックス空間となる寝室では、インテリアにこだわることも快適性に影響する重要な要素です。以下では、寝室にどのようなインテリアが適しているのかを解説します。
観葉植物を置く
観葉植物を置くと、おしゃれな雰囲気になり空間のアクセントにもなります。観葉植物のサイズは、寝室の広さやレイアウトに応じて決めましょう。スペースに余裕がない場合は、壁面に飾るという方法もあります。メンテナンス性を考慮し、虫やカビが発生しにくく、手入れが簡単な種類を選ぶのがおすすめです。
おしゃれな照明を取り入れる
寝室の照明は、明るさや色を調整できる調光式のタイプを設置しましょう。就寝前は温かみのある色にすることでリラックスしやすくなり、睡眠の質の向上につながります。
また、部屋全体を照らす照明のほかに、ペンダントライトやスタンドライトなどのおしゃれな間接照明を取り入れると、明るすぎないおしゃれな空間づくりに役立ちます。
アロマグッズを設置する
アロマグッズを設置し、香りで心や体を癒すのもよい方法です。アロマディフューザーやアロマキャンドルを置き、好きな香りを楽しみながら就寝前の時間を過ごすことで、快適な睡眠につながります。ただし、アロマキャンドルを使用する際は、火の取り扱いに十分注意しましょう。部屋全体で香りを楽しむには、設置場所にも工夫が必要です。
落ち着いた色・デザインを選ぶ
リラックススペースである寝室の内装やインテリアには、心も体も落ち着けるような色やデザインを選ぶのがおすすめです。ベージュやブラウン、グリーンなどのアースカラーは観葉植物との相性もよく、流行にも左右されません。
壁紙やカーテン、サイドテーブルなども含めて全体のバランスを考え、部屋全体が調和するようにコーディネートしましょう。
快適な寝室づくりのポイント

寝室で大切なのは、快適に眠れる空間をつくることです。ここからは、快適な寝室づくりのために押さえておきたいポイントを解説します。
窓の配置や断熱性にこだわる
窓とベッドが近すぎると、窓から寒さや暑さが伝わりやすく、睡眠に支障が出ることがあります。また、夜明けが早い夏場には窓から差し込む朝日で目が覚めてしまうこともあるため、寝室では特に窓の大きさや配置、断熱性が重要です。窓の影響を減らすには、適切な距離を取ってベッドを配置したり、窓の断熱性を高めたりして対処しましょう。
外の視線に配慮する
1階に寝室をつくる場合、外からの視線が気になって窓やカーテンを開けることに抵抗を感じる可能性があります。窓を小さくすれば視線を遮断しやすくなるものの、その分通気性や採光性が悪くなることも考えられます。外から見えないようにしつつ採光や通風を確保するには、プライバシー性の高い中庭をつくって寝室を隣接させる間取りがおすすめです。
必要に応じて防音性を高める
快適な睡眠を実現するには、寝室を眠りに集中できる静かな空間にすることが大切です。しかし、寝室が交通量の多い道路側にあったり、生活リズムが異なる家族の生活音が気になる配置だったりすると、音によって眠りを妨げられてしまうことがあります。
静かな寝室をつくるには、設計段階で奥まった位置に配置したり、リビングとの距離を離したりして、できるだけ音の影響を受けにくい間取りにしましょう。また、寝室の窓や扉の防音性を高める方法も有効です。
通気性を考慮する
寝室は日中などに使用するケースが少なく、閉めっぱなしの時間が長くなりがちで、湿気がこもりやすくなります。また、外からの視線を気にするあまり、窓を小さくしたり換気のタイミングを減らしたりすると、寝室の空気が入れ替わらずに不快感が増してしまいます。空気を適切に循環させるには、換気設備を取り入れたり、シーリングファンを設置したりするのがおすすめです。
快適な睡眠のための寝室、間取りづくりを実現しよう

快適な寝室をつくるには、寝室の位置や広さ、収納の大きさ、生活空間との距離、窓の配置など、多くのことに気を配る必要があります。内装やインテリアを決める際は、快適にリラックスできることを優先しましょう。
寝室づくりでお悩みの際は、総合住宅展示場のABCハウジングへお越しください。多彩なハウスメーカーのモデルハウスを見学しながら、さまざまなスタイルの寝室を比較・検討していただけます。