ABCハウジング このまちのストーリー

神様のいる場所 Vol.1

宵宮 ~だんじりが見て来た光景~

10月16日、試験曳きの日。18時半にだんじり小屋の前へ行くと、集落の人々が集まっていました。青年団をサポートするために集まった年長者の方々です。だんじりを曳くことだけでなく、路上を曳行するにあたっての交通整理や、みんなが飲み食いするものを軽自動車に積んで付いて回るなどお手伝いはさまざま。「僕らだけで曳いてるんじゃない」。福田さんの言葉が思い出されます。
発電機が動き出す音とともに、提灯に灯りがともりました。1年ぶりに目覚めただんじりが鮮やかに浮かび上がります。このだんじりが、過去に何回のまつりを迎えたのかは分かりませんが間違いなく、ここにいる誰よりも多くのまつりを知っているはずです。今年はどんな思いを乗せて、公道を走るのでしょう。

北加納のイメージカラーは青。「北」の文字がデザインされた北加納の法被

提灯に灯りがともると、だんじりが鮮やかに浮かび上がる

1年ぶりにだんじりが公道を踏む試験曳き

「よっしゃいこかー!」
19時、リーダーの阪本さんが口火を切ると鳴りものが一斉に夜空に響き渡ります。
試験曳きという名の宵宮のはじまりです。だんじりは坂の上にある平石地区を目指して動きはじめました。

村の年長者の方々と一緒になってだんじりを曳行する

平石までの坂道をのぼる北加納のだんじり。暗闇に提灯の白い光が広がって幻想的

平石は建水分神社へは宮入りしない地区ですが同じ時期にだんじりを曳行するそうで、毎年試験曳きの日には、エールを送りに行くのが恒例となっているのです。
お揃いの衣裳をつけたレディースたちが踊りながらだんじりを先導します。曳き唄に誘われて、子どもも大人もお年寄りも出てきました。だんじりの前と後ろに列をつくって一緒に坂をのぼって行きます。

先導するレディースのみなさん

一緒になってだんじりを曳く子どもたち

北加納の集落を抜けると、坂道は山に囲まれ真っ暗。そこを煌々と輝くだんじりが、軽快な曳き唄とお囃子を響かせながら人々を連れ立って進んで行く姿は、勇壮と言うより幻想的。
1時間かけて到着すると、平石のみなさんがお酒やジュース、つまみやお菓子を用意して待っていました。平石地区のだんじりも、キレイに飾られ輝いています。

1時間かけて平石地区に到着

思い思い、あちらこちら、地べたに座って酒盛りが始まります。大声で笑ったり、万歳したり、曳き唄を歌ったり。「この光景は今も昔も変わらんなぁ」だんじり達はそんなことを話しているのではないでしょうか。
30分ほど滞在し、帰路へ。22時には小屋へ戻りました。

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