日本では昔から妖怪や神さまがいると信じられ、
人々の生活に密接に関わる身近な存在として
現代まで伝わってきました。
そんな妖怪や神さまの中には、
“家”にまつわるものも多数!
その中からいくつかをご紹介します。
家に現れる妖怪って?
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妖怪の起源は?
妖怪の最古の記録は「古事記」「日本書紀」「風土記」などにあり、ひとつ目の鬼やヤマタノオロチとして登場。その起源は自然災害や疫病など、人知を超えたものの象徴や現象として生まれたと考えられています。
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妖怪と幽霊の
違いって?妖怪と幽霊が区別されはじめたのは明治以降。昭和に入ると、出現する時間や場所の違いのほか、人が死後に人の属性を備えて出現するものを幽霊、それ以外のものを妖怪とする考え方が登場しました。
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妖怪は善or悪?
味方or敵?妖怪は恐ろしい災害や危害を及ぼすものもいれば、人間を助けたり、恩を返したり、富を授けるものもいるなど、その性格も多種多様。善悪や敵味方などの基準が通用しないものと考えられています。
- 別名
- 座敷ぼっこ・オショボ
- すがた
- 3〜12歳くらいの子ども
- 危険度・怖さ
- ★☆☆☆☆
おかっぱ頭で幼い子どものすがたをし、大人には見えないとも。
家の守り神のような力があり、座敷童子が住む家は栄え、
いなくなると没落すると言われているため、神や精霊と言われることも。
- 別名
- 垢ねぶり
- すがた
- 長い舌を持つ
- 危険度・怖さ
- ★★☆☆☆
洗わずに放置された不潔な風呂場で生まれ、水垢やホコリなどの汚れを
ピチャピチャと舐めとる妖怪。悪さをするわけではないけれど、
気味が悪いため、風呂場には垢をためないようにしたい。
- 別名
- 枕小僧
- すがた
- 小さい仁王
- 危険度・怖さ
- ★★☆☆☆
夜、寝ている人の枕を足元へ移動させたり、引っこ抜いたり、
裏返したりするいたずら好きの妖怪。特に害はないが、寝ている間に
枕を動かすと縁起が悪く、魂が夢から戻れなくなるとも。
- 別名
- 鳴屋(やなり)
- すがた
- 30cmほどの小鬼
- 危険度・怖さ
- ★★★☆☆
地震でもないのに家のガラスやドアがガタガタと揺れたり、
家がきしんで不気味な音が鳴ったら、家鳴りの仕業。
30cmほどの小鬼たちが集団になって、いたずらをしているのだという。
家に宿る神さまって?
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神さまって?
日本には「八百万 の神々」という言葉があり、あらゆるものに神が宿っていると考えられています。また、ほかにも神社やお寺に祀られている神さまや、功績を称えて祀られている神さまなどがあります。
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神さまは
どこにいるの?神さまというと初詣や七五三など、神社やお寺などへ赴いて多幸を祈願することが多いですが、実は家の中にいる神さまも多数。家のさまざまな場所や住む人を守ってくれると考えられています。
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いい神さまは
汚れた場所を嫌う?神社やお寺を訪れるとわかるように、神さまを祀る場所は、常に美しく整えられ、清浄な空気が流れているもの。実は神さまは「けがれ」を嫌い、汚れた場所には厄災の神さまが訪れると言われています。
- 別名
- 火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)・荒神(こうじん)
- ご利益
- 火難や盗難から守る
火を扱うことが多いキッチンを中心に、家を火事にならないように
守ってくれるのが、火を司る「かまど神」や「火之迦具土神」、
「荒神」と呼ばれる神さま。ご利益のあるお札を貼ることも多い。
- 別名
- 土公神(どこうじん)・氏神(うじがみ)
- ご利益
- 土地を守る
家の土地を司る神さま。家を建てる前には、これらの神さまをお迎えし、
工事の安全や無事を願って地鎮祭を。完成後は、建物とそこに住む
人々が繁栄することを願って竣工式が行われる。
- 別名
- 窮鬼(きゅうき)
- ご利益?
- 貧乏をもたらす
痩せた体に、薄汚い服、手には杖を持ち、とりつく家の押入れに
隠れ住むという。貧乏神がやってくると、事故や病人が出やすくなるなど、
人を不幸にするのが大好きなありがたくない神さま。
家にまつわる妖怪や神さまは意外と多く、
住んでいる場所や地方、時代などによっても、
名前や性格、特徴が少しずつ変わっているものも。
ほかにもどんな妖怪や神さまがいるのか、探したり調べてみると、
さらに知識&雑学の幅が広がっていいですね!
*諸説あります。 *イラストはイメージです。