人が生活する上で、避けては通れないゴミのこと。
どうすればゴミに煩わされずに、よりスマート&快適に
暮らせるのかについて考察してみました。
昔はどうしてた?
気になる“ゴミ”の歴史
縄文〜奈良・平安〜江戸時代
縄文時代のゴミ捨て場として有名な「貝塚」にはじまったとされる、日本のゴミの歴史。奈良・平安時代などで、頻繁に遷都が行われていたのは、ゴミが市街地にあふれたためとも。また、江戸時代には、古着屋や紙くず買いなど、再生・回収の専門業が登場し、循環型社会が形成されていたと考えられている。
明治〜戦後〜
高度成長期(20世紀)
明治に入り、人口が増加したことや、海外からの伝染病などへの対策として、ゴミの焼却がスタート。その後、物不足だった戦後から一転、高度成長期に入ると、大量生産・大量消費・大量廃棄が当たり前となり、ゴミが爆発的に増加。公害や環境破壊など、さまざまな問題へ発展した。
現在(21世紀)
ゴミの総排出量が過去最高の5,483万トンとなった2000年、「循環型社会形成推進基本法」が公布。Reduce(発生抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再生利用)の3Rが実施され、粗大ゴミや生活ゴミが有料化されるなど、本格的なゴミの分別も進み、循環型社会の実現へと進化している。
どれくらい出る?
“ゴミ”にまつわる疑問
Q1.日本で年間に出る
ゴミの量はどれくらい?
A1.2019年度の総排出量は約4,272万トン。東京ドームで換算すると、およそ115個分となり、ゴミの半分は食品廃棄物なのだとか。
Q2.1人あたりにすると
1日でどれくらいの量?
A2.1人1日あたりのごみ排出量は全国平均で918グラム。一番少なかったのは、人口10万人未満で長野県南牧村の306グラム、人口50万人以上では東京都八王子市で765グラムという結果に。
Q3.リサイクルでゴミは減った?
A3.1990年代以降、資源ゴミの分別収集が全国でスタート。2000年のゴミ排出量ピーク時から、リサイクルの動きがさらに加速し、徐々にではあるがゴミは減少方向に。
どうする?
賢い“ゴミ”との暮らし
家庭内のゴミを把握
住まいづくりを考えるとき、意外と忘れがちなのがゴミのこと。家の中のどこにゴミが出やすいのかをあらかじめ予想しておくことで、ゴミの置き場や用途にぴったりのゴミ箱を用意しておけるなど、準備がしやすくなります。
家事動線の確認
ゴミの出る場所がわかったら、生活する上での動線も合わせて考えておきましょう。「目に付く場所に置きたくないけれど、捨てやすい場所」「家の中を通らずにゴミ出しができる場所」などを考えておくと、ストレスなく暮らせます。
ゴミが一番出る場所といえば、やはりキッチン。生ゴミなどのニオイが気になるものから、ペットボトルや牛乳パックといった資源ゴミまで、種類も幅広いため、ゴミによってそれぞれベストな置き場所をチェックしておくことで、快適なキッチンがキープできます。
リビングやダイニングでよく出るゴミといえば、紙類。読み終えた新聞や雑誌、子どもがもらってきたプリントや郵便物などが散らかりがちに。リサイクルするものと捨てるものに分けて、専用のラックやゴミ箱を用意することで、片づけもしやすくスマートに暮らせます。
大量に消費して、ただ捨てるだけの存在だったゴミも、
2000年以降は資源として再生利用されることで、
より暮らしやすい持続可能な社会への取り組みが進んでいます。
住まいのゴミについても、
オープンタイプで捨てやすさを重視するのか、
クローズタイプですっきりとした見た目を選ぶのか…。
設置する場所や目的、好みもしっかり考えることが
暮らしやすい住まいに必須といえるでしょう。